雲上四季

本と涙と謎解きと、愛しさと切なさとボードゲームと

とある魔術の禁書目録

 超能力者たちが駆使するあらゆる『異能の力』を無効化(ディスペル)する、幻想殺しイマジンブレイカー)をその能力として持つ上条当麻偽善使い(フォックスワード)を自称する彼は、ある日、マンションのベランダで禁書目録(インデックス)を名乗るシスター服の不思議少女と出会う。その日の午後、上条は、インデックスが有する十万三千冊の魔道書を求めて彼女を追いかける魔術師と激突し、彼女を守るために神様の奇跡(システム)であっても打ち消す異能力でもって対抗する。
 散りばめられたルビと傍点、オタク知識に優れ後ろ向きで純粋な主人公、目許にあるバーコードの刺青、ワイヤー使い、幼児体型の教師……作者の読書遍歴が見てとれる、正に時代が生んだ一冊。間違いなく西尾維新うえお久光谷川流の後継者に位置するが、「主人公が自ら拳で戦う」という点において同人からプロデビューした奈須きのこにより似ている。三人称と一人称が入り混じった悪文に加え、青臭い科白があまりに多すぎて人によっては読むに耐えないのだけれど、ライトノベル愛読者およびライトノベル研究者には必読の一冊かもしれない。(2004年04月・電撃文庫