雲上四季

本と涙と謎解きと、愛しさと切なさとボードゲームと

第四の扉 ツイスト博士シリーズ

第四の扉―ツイスト博士シリーズ (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)

第四の扉―ツイスト博士シリーズ (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)

 オックスフォード近郊に建つダーンリー家の屋敷に、自称霊能力者のラティマー夫妻が越してくる。その後、行われる交霊会、現れる夫人の幽霊、失踪する息子、そして密室殺人……。コニャック・ミステリ大賞受賞作。
 密室殺人・幽霊屋敷・交霊会・分身・奇術・等々、ディクスン・カーを強く連想させる作風を持つ、ポール・アルテによる、ツイスト博士シリーズの一作目。本の四分の三が事件の描写で、ツイスト博士は一瞬も登場せず、やや冗長。逆にラスト四分の三は、必然性のあるメタ構造に加え、博士の鮮やかな指摘が見事で一気に読みきってしまった。カーの著作を一冊も読んだことがないので、どの当たりが類似しているのかは分からないが、オカルトとミステリに終始する展開は、ストイックでミステリ作家らしいと思った。