雲上四季

本と涙と謎解きと、愛しさと切なさとボードゲームと

トップラン&ランド完

トップラン&ランド完 (幻冬舎文庫)

トップラン&ランド完 (幻冬舎文庫)

 音羽恋子は生後間もなく何者かによって連れ去られ、別の赤ん坊とすり替えられていたのか。1967年、一家の元を去った藤兵侍は何処に行ってしまっていたのか。『トップランド2002 戦士エピソード1』の結末は、一体何を意味していたのか。トップランシリーズ全六巻&トップランドシリーズ全三巻を統合し、残されていた謎を解き明かす完結篇。既刊九冊を読んでから手に取ってもいいし、この本からシリーズに入ってもいいという特異な一冊。
 トップランシリーズは、初めから全六巻という構成で始まり、無事に六冊全てを刊行することができたのだが、トップランドシリーズの方はそうではない。こちらに関しては著者曰く、自分が生きている限り永遠に続くとのことだったのに、それが全三巻で終わってしまったのは出版者の都合であり、平易な言い方をすれば打ち切られたということ。突然の打ち切りに対し著者は、トップランドシリーズの最終巻となる『トップランド2002』に、今後、盛りこむ予定だったネタの一切を注ぎこむという荒技を放った。その結果、長い間、このシリーズは伏線が張られるだけ張られて、そのまま終わってしまったという、何とも続きが気になる後味の悪いシリーズとなっていた。それが本書の発売によって、ようやく謎も解明され、気になっていた点にも答えが与えられ、一ファンとしてはようやく人心地ついた。『トップランド2002』を読んで続きが気になった人には、必読の一冊だろう。(2004年04月・幻冬舎文庫