雲上四季

本と涙と謎解きと、愛しさと切なさとボードゲームと

無限に続く闇だと信じていた。魔王の飛ばしたる星々は遠く、この目に映るほど飛んではおらず、夢幻に列なる星の輝きは、この瞳を照らしはしなかった。小波の音が聞こえる。砌を打つ音。涙が零れる音。どうしてこの胸はこんなに痛むのだろう、どうしてこの涙は止まらないのだろう。胸に空いた穴は、この頭から記憶をも奪っていった。残った感情は、空ろな何か。思い出せない感情は、やがて拡散して、消え果るだろう。それを悲しいと思う心は、かつての自分が抱えていたものだろうか。今、夢幻に列なる星が見えるのは、無限に続くこの闇を否定したから

 目が覚めた。
 全てが夢だと知れたとき、暗黒はまたひとつ花開いた。