雲上四季

本と涙と謎解きと、愛しさと切なさとボードゲームと

HERO

HERO (通常盤)

HERO (通常盤)

 二回目に物語がどういった構造をしているのか理解できた。最初に見たときは歌の支配力が強くて、実際に世界を救うためにHEROになってしまった男、あるいはHEROになれなかった男が主人公なのかと思った。しかし実際にはもっと小さい話で、ある種のセカイ系かもしれない。
 最初に見たとき。木枯らしの吹く銀世界に立ち尽くした男を見て、――現実の世界に生きる我々はどんなにショックを受けても、やがて流れる時の中、日常に埋没することで心の傷が癒されるかもしれないけれど。世界に自分ひとりしかいなければ、埋もれることのできる日常はなく、だから流れる時は意味を為さず、傷は永遠に癒されないのかもしれないと思った。