- 作者: 桜庭一樹
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2005/10/07
- メディア: 文庫
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問題は第三部。第一部や第二部の主人公は、それぞれ第三部の主人公と出会うことによって生きる力や悩みごとに対する解答を与えられるのだが、果たして彼女自身はどうなのだろうか。何の変哲もない、普通の女子高生として描かれた彼女はタイムトラベルを経て何か変化があったのだろうか。と言うか、そもそも見知らぬ異郷に放り出されてなお生きようとした彼女の生き様を先に読ませられている身としては、彼女がその生涯において特に試練を受けることなく平凡に生きていたというのが拍子抜け。不満が残る。