- 作者: 南條範夫
- 出版社/メーカー: 徳間書店
- 発売日: 2005/10/01
- メディア: 文庫
- 購入: 13人 クリック: 133回
- この商品を含むブログ (132件) を見る
読み始めて驚いた。漫画版において主題とされている、藤木源之助と伊良子清玄の対決は、550ページ近い原作においては36ページ分でしかないのだ。つまり、漫画版の大半は、恐らくは山口貴由の創作なのだ。それだけではない、駿河大納言忠長の御前で行われた十一番の真剣試合は、いずれも凄惨を極めているのだ。長き時の流れの果てに交錯する因縁の決着レベルの死合が十一回も行われているのだ! その濃密さ、その残酷さに戦慄を禁じえない。作中において飛び散った血のにおいが、紙面から香り立つのさえ感じた。