雲上四季

本と涙と謎解きと、愛しさと切なさとボードゲームと

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駿河城御前試合 (徳間文庫)

駿河城御前試合 (徳間文庫)

 山口貴由シグルイ』の原作が、新装版となって復刊された。山口貴由による漫画の方は今のところ四巻まで刊行されているが、まだまだ終わりが見えておらず、原作を読んで結末を知ってしまうことには一抹の不安を覚えた。……が!
 読み始めて驚いた。漫画版において主題とされている、藤木源之助と伊良子清玄の対決は、550ページ近い原作においては36ページ分でしかないのだ。つまり、漫画版の大半は、恐らくは山口貴由の創作なのだ。それだけではない、駿河大納言忠長の御前で行われた十一番の真剣試合は、いずれも凄惨を極めているのだ。長き時の流れの果てに交錯する因縁の決着レベルの死合が十一回も行われているのだ! その濃密さ、その残酷さに戦慄を禁じえない。作中において飛び散った血のにおいが、紙面から香り立つのさえ感じた。