雲上四季

本と涙と謎解きと、愛しさと切なさとボードゲームと

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博士の愛した数式

博士の愛した数式

 穏やかで慎み深い、言い知れぬ抱擁感を感じた。
 感動系であるとか、泣けるであるとかいった感想を事前に聞いていたので、いかにこの涙もろい秋山に涙を流させることになるのだろうかと思ったら、思っていたよりずっと控えめで驚いた。しかし、この控えめさが逆にいい。あざとさを感じさせないどころが、一部の数式や公式には、どういった効果があるのか見えてこない。その親切過ぎないところがいい。「やさしくしてあげるけれど、甘えては駄目」と言うかのような。泣いた。