雲上四季

本と涙と謎解きと、愛しさと切なさとボードゲームと

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「くちづけでは長く、愛には短すぎて。そして、楽園はあまりに永く」
 なるほど、これは凄絶だ。ライトノベルの中で酸鼻極まる凄惨なシーンの出てくると名高い著者の真髄を、本書で初めて見た気がした(いや、今までもあるにはあったが、特筆するほどではなかった)。単にグロかったりエグかったりするのではなく、人間の醜い内面を、物理的に精神的に浮き彫りにしているような感じだ。これは中高生が読んだらトラウマになるのではないだろうか? そして結末も、同じように酷だ。『ラグナロク』や『トリニティブラッド』的なものを期待していた読者は、本書で追うのを止めるのではないだろうか。萌えキャラも尽くが、西尾維新の著作と同じような末路を辿るし。そして鬱展開やライトノベルとは思えない、ヘビィでグログロ好きな読者は、ここから熱狂的なファンに変じるだろう。つまりはそういうシリーズ。当然、秋山は次も読みます。