雲上四季

本と涙と謎解きと、愛しさと切なさとボードゲームと

889『SHI-NO』

 第5回富士見ヤングミステリー大賞、最終選考作。
 不健康そうな小学生が体育座りしている! 裏表紙や口絵も志乃メインで、とにかく目を引く。中身に目を転じれば、とにかくキャラクタが上手く描けている。短編連作という形式を取っているが、ストーリィ性やミステリ性は薄く、むしろ人間の狂気や命の儚さといった概念的なものが中心に描かれている。やや森博嗣らしさを感じるが、鼻につくほどではなくいい具合に消化されているので読んでいて心地よい。一応、主人公が大学生の男、探偵が小学生の志乃ということになっているが、編によっては犯人の視点が主だったりして主人公の影は薄い。中々、面白かった。
(追記)応募時のタイトルは『GOTH+LOLI』であるらしい。変更して大正解。