雲上ブログ〜謎ときどきボドゲ〜

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890『流れ星が消えないうちに』

流れ星が消えないうちに

流れ星が消えないうちに

 業界の一部で物議をかもした問題の作品を読んでやろうではないかげへげへ……ではなく、ただ単に橋本紡の作品が読みたくなったので読んだ。文脈を全て無視して言うが、意外や意外、面白かった! 正直なところ前半は苦痛だった。物語が一歩も前進しないどころか、登場人物が全員、過去を向いて後ずさるように文字だけが重ねられてゆくのだ。まあ、結局のところ最後まで過去を引きずって、解決できたのかどうか分からないままに終わってしまうのだが、この淡々とした進んでいるのかいないのか分からない感が実に良い。だって、素晴らしい現実感だろう。現実はいつだって進んでいるかいないか分からないのだから。……『猫泥棒と木曜日のキッチン』も読むか。