雲上四季

本と涙と謎解きと、愛しさと切なさとボードゲームと

944『少年は探偵を夢見る』

 雑誌やアンソロジィに掲載された短編は、何度か読んだことがあるが、単行本では初めて。森江春策シリーズも知らずに、本書を手に取ったのだが失敗だったかもしれない。五編の短編が収録されている連作短編集なのだが、素直に楽しめたのは一作目の「少年探偵はキネオラマの夢を見る」だけ。ミステリーランドから出てもおかしくない、少年探偵団を描く江戸川乱歩を思わせる世界観で、存分に魅せられた。しかし、以降の四作はどうにも作品内世界に入り込むことが出来なかった。世界観や物語自体もどう受けとればよいのか今ひとつ分からなかったし、大人になった森江春策という人物像を、秋山が頭の中に描ききることが出来なかったからかもしれない。残念。