雲上四季

本と涙と謎解きと、愛しさと切なさとボードゲームと

954『骸の爪』

骸の爪

骸の爪

 道尾秀介シリーズ第二弾。
 非常に面白かった。造仏所の工房が舞台なのだが、特異な舞台設定もさることながら、そこで生活している人々の思考も変わっていて面白い。仏にまつわる逸話やうんちくなども出てきて、前作同様、京極夏彦を感じさせる解決方法に至るのかと思いきや、実にまっとうに本格ミステリしていて逆に驚いた。そして……そう、面白かった! トリックは意表を突きながらも、充分に推測できる範囲のものであり、ミスリードも上手く決まっていて、論理も中々に美しかった。これは本年度の本格ミステリベスト10などでも上位に入ってくるのではないだろうか。そう思わせてくれる、絶品、であった。