雲上四季

本と涙と謎解きと、愛しさと切なさとボードゲームと

970『ミッションスクール』

ミッションスクール (ハヤカワ文庫JA)

ミッションスクール (ハヤカワ文庫JA)

 あー、はいはい、面白い面白い。
「七年ぶりの新刊」という謳い文句に踊らされて、うっかり田中哲弥を読んでしまった。本書は電撃hpおよびSFマガジンに掲載された短編に書き下ろしを加えた短編集で、表題作になっている「ミッションスクール」のみ既読だった。五年前に。
 当時は意味不明な設定に、突拍子もない展開がまるで面白くなく、駄作だと判じたが、今、読んでみるとこれが中々に面白い。シュールなギャグと不条理な世界観とでも言うのだろうか、田中哲弥のデタラメさを受け止める寛容さが具わっただけかもしれない。全編通してはははと乾いた笑いをあげながら楽しめたのだが、それでも面白い! と断言できるのは、表題作の「ミッションスクール」のみ。後の作品も確かに、それなりのクオリティは保持していて、光るところはあるのだが、「ミッションスクール」のキレ味には負ける。斬れているという点においても、キレているという点においても。残念。