雲上ブログ〜謎ときどきボドゲ〜

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982『エンド・ゲーム』

エンド・ゲーム―常野物語

エンド・ゲーム―常野物語

 恩田陸という作家は、どうしてこう因果な作品しか書かないのだろうかね。はあ。
 本書は『光の帝国』に始まる、常野シリーズの第三作。このシリーズは特異な設定の元に展開されている。一作目の『光の帝国』は、常野一族という謎めいた力を持つ一族を、様々な時代、様々な舞台において描いた連作短編集で、二作目以降ではひとつの時代、そしてひとつの舞台における常野一族を専門的に描いている。つまり、このシリーズは一作目、二作目、三作目と順を追って読まなくとも、まず一作目だけ読んでしまえば、次は何作目に取り掛かっても問題ないという体裁を取っている。
 それで、だ。本書で描かれているのは、常野一族最強の能力を持った少女であり、『光の帝国』の中でも秋山が割り合い好きな「オセロ・ゲーム」の続編的位置にあるもの。期待が高まらないはずがない。事実、終盤までの展開は実に魅力的で、リーダビリティも抜群だった。だが! しかし! どうしてこんな結末なのかと、秋山は著者を小一時間問い詰めたい。本当、残念。