かつて、大型新人と称された谷川流は、ふたつの看板シリーズを持っていました。角川スニーカー文庫と電撃文庫から同日刊行された『涼宮ハルヒの憂鬱』と『学校を出よう!』です。
ハルヒシリーズ | 発売日 | 学校シリーズ | 発売日 |
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涼宮ハルヒの憂鬱 | 2003年06月 | Escape from The School | 2003年06月 |
涼宮ハルヒの溜息 | 2003年10月 | I‐My‐Me | 2003年08月 |
涼宮ハルヒの退屈 | 2004年01月 | The Laughing Bootleg | 2003年10月 |
涼宮ハルヒの消失 | 2004年08月 | Final Destination | 2004年03月 |
涼宮ハルヒの暴走 | 2004年10月 | NOT DEAD OR NOT ALIVE | 2004年09月 |
涼宮ハルヒの動揺 | 2005年04月 | VAMPIRE SYNDROME | 2004年10月 |
涼宮ハルヒの陰謀 | 2005年09月 | ||
涼宮ハルヒの憤慨 | 2006年05月 | ||
涼宮ハルヒの分裂 | 2007年04月 |
上記表をご覧いただければお分かりのように、当初は『ハルヒ』と『学校』、両シリーズはバランス良く巻数を伸ばしていっていました。しかし、2004年10月の『学校を出よう! 6 VAMPIRE SYNDROME』を最後に学校シリーズは続きが出ていません。そしてハルヒシリーズは順調に巻数を重ね、『涼宮ハルヒの憂鬱』はアニメ化され、大ヒットし、今や谷川流は「ハルヒと学校の谷川流」ではなく「ハルヒの谷川流」です。
2003年のデビュー時より谷川流を追い続け、しかもどちらかと言うと『学校』シリーズの方が『ハルヒ』シリーズより面白いなあと思っていた秋山にとって、この結果は残念でなりません。
と言うわけで、今日は「え、谷川流って『ハルヒ』の作家だろ?」と思っている方に「『学校』シリーズという面白いシリーズもあるんだぜ!」というようなエントリを書こうと思ったのですが、その代わりにid:sangencyayaのアイヨシさんのプチ書評を紹介いたします。
- 三軒茶屋 別館 - 『学校を出よう! 1』(谷川流/電撃文庫)
- 三軒茶屋 別館 - 『学校を出よう! 2』(谷川流/電撃文庫)
- 三軒茶屋 別館 - 『学校を出よう! 3』(谷川流/電撃文庫)
- 三軒茶屋 別館 - 『学校を出よう! 4』(谷川流/電撃文庫)
- 三軒茶屋 別館 - 『学校を出よう! 5・6』(谷川流/電撃文庫)
上記エントリ群は、SF読みのアイヨシさんが、『学校』シリーズをフィリップ・K・ディックと比較検討しつつ分析しようという5日間連続企画で、本日がその最終回なのです。どのエントリも非常にレベルが高く、SF読みならではの指摘と含蓄に溢れています。特に平行世界をテーマとしている4巻のプチ書評は気合が入っていて読み応えがあります。
『ハルヒ』は好きだけど『学校〜』は読んだことがないという方、これを機会に『学校を出よう!』を読んでみませんか? そして一緒に「学校を出よう! の7巻まだー?」と、どんびりをチンチンする一員になりましょう!