雲上四季

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アンチ・ハッピーエンド・ストーリー特集

ハッピーエンドにさよならを

ハッピーエンドにさよならを

 ミステリ作家・歌野晶午が『野性時代』と『小説すばる』を中心に、あちらこちらで書いた後味の悪い作品を集めた短編集。その名も『ハッピーエンドにさよならを』。どの作品もラストでぐんにょりしてしまう気持ちの悪い作品なので、そういうのが好きなひとにとっては絶好の一冊かもしれない。以下、感想抜粋。全文はこちら

 ある意味では『ハッピーエンドにさよならを』というタイトルそれ自体がネタバレになっていると言ってもいい。掲載されている作品のいくつかは、ミステリ的な仕掛けを持つものがあるが、やはりブラック・ユーモアであることが売りなのだ。それが明かされてしまっている時点で、結末における驚きは最初から半減してしまっていると言っても過言ではないだろう。

 以下、この本を読んだ他のひとの感想。

 短編集のタイトルどおり、数々のヤな話が、歌野らしい技巧によってしっかり構築されている。物語をぐるりと反転させることもしばしばのオチが、そのあっけらかんとした佇まいも含め、人生の空疎さ・虚しさ・無意味さを表してやまないとも思う。

http://d.hatena.ne.jp/Wanderer/20070911

 これでもかとアンハッピーでブラックな結末の物語を詰めこんでいるのに、不思議と読後感が重くないのはドライで湿気ていないから。

http://d.hatena.ne.jp/pnu/20071002/p1

 奇しくも、大半の作品に共通するのが、“家族”という存在である。トルストイが「アンナ・カレーニナ」でしたためたが如くに、「幸福な家庭はどれも似たものだが、不幸な家庭はいずれもそれぞれに不幸なものである」のならば、つまりは、物語の“結末”が安易に予想がつかない、ということではないか。

http://d.hatena.ne.jp/poppokobato/20071003/p2