雲上四季

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ミステリー&エンターテインメントベストテン発表

このミステリーがすごい! 2008年版

このミステリーがすごい! 2008年版

 宝島社刊このミステリーがすごい!2008年版』を買ってきました。
 早ミス、本ミスに次いで、ついに真打・このミスの登場です!
 ランキングの内訳に関しては、2ちゃんねるに書き込まれたものの通りでした。また、ミステリチャンネルが選ぶベストテン「闘うベストテン2007」も合わせて発表していました。
 既読率は国内編が20作中10作、海外編が20作中1作、闘う国内が11作中2作、闘う海外が11作中1作でした。
 以下、ランキングのネタバレ。

ランキング雑感

 上位3作が熱いですね!
『警官の血』『赤朽葉家の伝説』『女王国の城』の3作が、それぞれ1点差なのです。美しささえ感じてしまう、神の如き采配ですね。誰かひとりでも気まぐれで順位を入れ替えていたり、投票していなかったならば、このような結果にはならなかったでしょう。本格好きとしては、やはり『女王国の城』に躍り出てもらい本ミス1位と合わせて2冠に輝いていただきたかったのですが、警察小説の傑作と名高い『警官の血』が1位という結果は納得できます。
『首無の如き祟るもの』が5位というのも大健闘でしょう。本格としての面白さが問われがちな本ミスと異なり、このミスは小説としての面白さが問われる傾向にあるように思います。インシテミルはやや残念です。せめて7位ぐらいには……! と思わないでもないですが、まあ、ここは素直にベストテン入りを喜びましょう。後、昨年1位だった平山夢明ミサイルマンが30位ぐらいに入っていますね。大転落ではありますが、スルーされなくて良かったと嬉しいです。

闘うベストテン2007

 ミステリチャンネルにて毎年、行われている闘うベストテン。10回目を数える今回の審査員は、香山二三郎豊崎由美大森望関口苑生杉江松恋福井健太の6人でした。以下、国内ミステリベストテンの結果。海外部門は割愛します。

順位 著者名 題名
1 佐藤亜紀 ミノタウロス
2 桜庭一樹 私の男
3 伊藤計劃 虐殺器官
4 西澤保彦 収穫祭
5 永井するみ カカオ80%の夏
6 三津田信三 首無の如き祟るもの
7 佐々木譲 警官の血
8 黒川博行 悪果
9 冲方丁 マルドゥック・ヴェロシティ
10 飯野文彦 バッド・チューニング
次点 福田和代 ヴィズ・ゼロ

私の隠し玉雑感

 本ミスにおける「新作近況会」ですね。作家や出版社が、来年に向けての隠し玉を教えてくれるコーナ。この通りに刊行してくれればファンとして喜ばしいことこの上ないです。
 お! と気になったところを少しですが、引用します。

桜庭一樹「連作短編を一つやる」「秋ぐらいに長編を書き下ろす予定です」「途中までしか出せなかったシリーズがあるので、時期はわかりませんが形をかえて完結させたいと思っています」「読書日記も『続・桜庭一樹読書日記』としてWeb連載が続いているので、また本になるかもしれません」
平山夢明「何をおいても『ボリビアの猿』(光文社)ということになるでしょう。もう五年も担当編集者をろくろっ首にしているものですから、まずこれです!」「続いては現在連載中のものが固まる可能性が……『びきまん』(月刊ランティエ)。『SALVAGE』(問題小説)・『頭脳警察』(小説すばる)でありまする」「以前、『托卵』という名で発表した首里という頭医者を主人公にした作品集も追加分を加えて出ると思われます」「それ以外には『1/3物語』(角川ホラー文庫)と『東京伝説』が春に。『鳥肌口碑2』(宝島社)と『怖い人2』、『怖い本8』が夏ごろにお目見えいたします」
米澤穂信「二〇〇七年中に出したかった『秋期限定栗きんとん事件(仮)』ですが、何とか早めにお届けできるよう前向きに対応します」「講談社さんから『望蜀会の野望(仮)』を出していただく予定があります」

 注目はなんと言っても桜庭一樹の「途中までしか出せなかったシリーズがあるので、時期はわかりませんが形をかえて完結させたいと思っています」ですね。桜庭一樹のシリーズ作と言えば『GOSICK』『B-EDGE AGE』そして……『荒野の恋』ですよね。この中で「途中までしか出せなかった」かつ「完結させたい」に相当するのは荒野の恋ではないかなと! しかも「形をかえて」ということは、最近の桜庭一樹の傾向を見るにハードカバー化……ということでしょうか? 何にせよ、待ちわびていた三部作の完結編なので、楽しみですね!