雲上ブログ〜謎ときどきボドゲ〜

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10月の読書メーター

読んだ本の数:8冊
読んだページ数:2375ページ

月と蟹月と蟹
巷では直木賞狙いと囁かれている本作。なるほど、過剰とも病的とも感じられる書き込みは、狂気を漂わせており、子どもならではの残酷さ、無軌道さ、意味不明さを湛えていたように感じた。けれど、読了時にあったのは物足りなさ。道尾秀介の文章が、こんなにも上手いことは嬉しいことなのだけれど、もっと明確な驚きが欲しかったと言うのが正直なところ。確かに上手い小説だと思うし、重厚だとも思うけれど、これは、きっと読みたくなかったのだろうな。
読了日:10月03日 著者:道尾 秀介
境界線上のホライゾン3〈下〉―GENESISシリーズ (電撃文庫)境界線上のホライゾン3〈下〉―GENESISシリーズ (電撃文庫)
「失わせないこと」しかし、トーリとホライゾンの、その方針は、戦国時代を生きるのに、あまりに厳しすぎるのではないかと思っていた。だから、だろうか、この巻で訪れる、幾つかの出会いと別れは、この先、幾度となく彼らの自問自答のなかに現われ、彼らの覚悟を試す試金石となるのだろう。しかし、今回の最後の挿絵は最高に良かった。煉瓦のような本を7冊も読んできて、ようやく面白くなってきやがった。煌々と双眸を輝かせ、燻ぶるネイトには思わずグッと来た。
読了日:10月03日 著者:川上 稔
セカンド・ラブセカンド・ラブ
イニシエーション・ラブ』の衝撃、ふたたび。という惹句が帯に躍り、鳴り物入りで刊行された乾くるみの新刊。当然、期待を抱いて、読み始めたのだけれど、結果は肩透かしの感が否めない。メインのトリックは、ミステリの文脈のなかでは類型的なものだし、その先に仕掛けられているものも、確かに巧妙で、再読の悦びはあるけれど、世界崩壊のカタルシスには至らなかった。この程度の驚きのために、理解し難い倫理観と、下手な文章に付き合ってきたのだと思うと、うーん、と言ったところ。
読了日:10月05日 著者:乾 くるみ
恋愛怪談サヨコさん 1 (ジェッツコミックス)恋愛怪談サヨコさん 1 (ジェッツコミックス)
ページをめくったら、ドッキリという展開が多かったような。しかし、安定の笑い、とも言えなくもない。
読了日:10月16日 著者:関崎 俊三
百舌谷さん逆上する(5) (アフタヌーンKC)百舌谷さん逆上する(5) (アフタヌーンKC)
2巻や3巻の頃は、号泣するほど面白かった記憶があるけれど、だんだん軸がぶれてきたのか、よく分からない&以前にも読んだような展開がまた来たなあという感じ。しかし、ふしぎな表紙であることよ。
読了日:10月16日 著者:篠房 六郎
木曜日のフルット 1 (少年チャンピオン・コミックス)木曜日のフルット 1 (少年チャンピオン・コミックス)
見開き1ページで完結しているギャグマンガ。笑いの沸点が低い故に、ページをめくるたびに笑わされてしまって、それはそれで嬉しいのだけれど、読んでいてたいへん疲れもする。しかし、鯨井が黒いパーカーを着ているのを見るだけで、父さんを思い出して涙ぐむ。
読了日:10月16日 著者:石黒 正数
志村貴子作品集 かわいい悪魔 (Fx COMICS)志村貴子作品集 かわいい悪魔 (Fx COMICS)
コマ割りや、表情の見せ方が変わっているなあ、と。多分、ふつうの漫画的な手法ではないものが用いられてますよね。ちょっと読むのに疲れましたけれども、なんだか新鮮な体験。銭湯の話が好き。
読了日:10月17日 著者:志村 貴子
隻眼の少女隻眼の少女
最高に面白かった。第一部の中盤から終盤にかけての展開は、麻耶雄嵩の本領発揮と言わんばかりで、全身に鳥肌が立って、震えるほど面白かった。そして、その後、第二部が始まった瞬間に喝采。こういう因果を含むミステリって大好き。結末は、自分のなかで、まだ釈然としないものが残されているけれど、いや、悪くない。むしろ意表を突いてくれて嬉しかったかもしれない。しかし、こういうミステリが読みたかったわけではないという不満も。相反する感情に惑う。
読了日:10月17日 著者:麻耶 雄嵩

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