雲上ブログ〜謎ときどきボドゲ〜

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川崎ゲーム会20110717

 かびぼうずさん主催のボドゲ合宿を、風邪で泣く泣くキャンセルし、りゅーかさんとかねぴーさんが海辺でキャッキャウフフしてる写メをアップしていて「海辺違いだし!」*1とツッコミを入れるのも切なくなり、しょんぼりしていたら、マツダさんがドミニオン収穫祭の英語版を輸入して入手したのに、一度もプレイできないまま日本語版が発売されてしまう! と嘆いていらしたので、プレイしましょうよと言ってみたら、偶然、お知り合いの方にドミニオンをレクチャする会を企画されていて、そのまま、その会にお邪魔させて頂きました。
……意味もなく頑張って、一文にまとめてみたけれど、これ、ただただ読みにくいだけだな。ま、いっか。

はじめに


 本レポートは『ドミニオン収穫祭』のネタバレを含みます。
 新鮮な気持ちでプレイしたい方は、続きを読むをクリックしないよう、ご注意ください。

ドミニオン

 まずは、初心者にインストしながらの基本セットです。
 がっつーんとぶっ放すのではなく、村鍛冶や金貨改築属州といったテクニックを紹介するようにプレイしたいなあと漠然と思いながら、収穫祭のマニュアルを読みながらプレイ。最初の内は「ほら、ここでこうしておくと、こうなって1手分、お得ですよ」とか、知ったような口して説明していましたが、後半になるにつれ、頭の中で収穫祭のサプライが気になりすぎて、次手番のカードをドローし忘れ、民兵を打たれたときに進行を止めてしまうような凡ミスも。や、すみませんでした……。
 ゲームも終盤に差し掛かり、収穫祭のテーマは、もしかして「拡散と集中」なのではないかと思い始める頃には、もう基本セットの方は、完全に手癖でプレイしていて、うっかり属州2枚買いとか、すみませんでした。
 危うげなく勝利して終了。

ドミニオン収穫祭、1戦目

 サプライは下記の通り。
 Fortune Teller、Tournament、Jester、Fairgrounds、Menagerie、改築、鍛冶屋、村、堀、木こり。
 これは、マニュアルに推奨サプライがあることを、うっかり忘れた秋山が、収穫祭という新しいカードを最大限に楽しみつつ、初心者の方も、それなりにさっきの経験を活かせるようにと思って考えたオリジナルのサプライです。
 スタートは2-5だったので、迷うことなくJesterこと道化師*2と堀に行きました。
 道化師は一風変わったアタックカード。山札の1番上をめくらせ、それが勝利点カードであれば、呪いカードを進呈し、それ以外であれば、もう1枚獲得させるか、或いは自分が獲得することができる。序盤の道化師は、比較的、強いです。屋敷が出ても美味しいし、銅貨が出ても美味しいし。とは言え、今回は道化師の打ち合いになってもあれだなあと思って堀を入れておいたので、道化師無双にはなりませんでしたけれど。
 道化師獲得後は、村鍛冶にシフトし、金貨を落とし、最速で属州を獲得してから、トーナメント。
 トーナメントは、収穫祭を代表するカードの1枚と言えるでしょう。トーナメントをプレイしたプレイヤは、さらに属州を捨札にすることで、褒賞カードと呼ばれる『くにとりっ』における武将の如き強力なカードを獲得することができるのです。褒賞カードとして用意されているのは5枚ですが、いずれも1枚でゲームバランスを崩しかねないものです。ただ「属州に手が届いていること」と「トーナメントと属州が同時に手札に来る」ことが、褒賞カード獲得の条件と思えば、繁栄を入れていない限り、ゲームも終盤なので、褒賞カードは稼働させられても3回くらいが限度でしょうけれども。
 秋山の快進撃は、属州を獲得したあたりまででしたかね。そう、手札運が最高に悪く、トーナメントと属州が揃わないのです。仕方なく属州をさらに買ったり、金が余ったらトーナメントを増やしたりしている内に、マツダさんに褒賞カードを2枚も先取りされてしまいました。
 その後、首尾よく、褒賞カードを2枚獲得することができましたが、それぞれ1回ずつしか使用できず「強かったんだか、何だったんだか」状態でした。
 最終的には73点で秋山の勝利。勝因は、Fairgroundsこと品評会です。
 品評会もトーナメントと同じく収穫祭を代表するカードと言えるでしょう。いわゆる庭園やブドウ園のような勝利点カードなのですが、面白いのはカードの枚数ではなく、カードの種類を数えて点数化するところです。即ち、ゲーム終了時デッキ内カードの種類が5種以下であれば2点相当、10種以下であれば4点相当、15種以下であれば6点相当、20種以下であれば8点相当になります。これはサプライとプレイによっては、極めて強力です。例えば、トーナメントで褒賞カードを何種類も獲得していたり、魔女っ娘による11枚目のサプライがあれば、カードの種類を20種にまで増やすのは不可能ではなく、そうすれば、コスト6で、8点も獲得できるのです*3
 そんな感じの1戦目。他のカードも軽く触れておきましょう。
 フォーチュンテラーはコスト3のアタックカード、勝利点カードが出てくるまで山札をめくり、出たらそれ以外を捨札にします。フォーチュンからの道化師は、強力なコンボでしょうね。
 Menagerieこと移動動物園は、+1アクション+1ドロー、ただし、手札がすべて異なる種類のカードであれば+1ドローが+3ドローに化けるという、村鍛冶も真っ青の優秀なカード。これで3コストなのだから、デッキによっては、実に強いです。

ドミニオン収穫祭、2戦目

 サプライは以下の通り。
 Menagerie、Tournament、Hunting Party、Harvest、Horn of Plenty、鍛冶屋、民兵、金貸し、祝祭、地下貯蔵庫。
 今回はマニュアルに掲載されていた、推奨サプライを使用しました。
 2-5スタートだったので、Horn of Plentyこと豊穣の角笛と地下貯蔵庫でスタート。その後は、金貸しで銅貨を処分しつつ、金貨を狙ったり、祝祭を狙ったり、先ほどと同じく最速属州トーナメントルート狙いです。
 豊穣の角笛は、面白いカードで、イメージ的には、工房と銀行を組み合わせた感じでしょうか。場にプレイしたカードの種類を数え、その種類数までのカードを1枚獲得できる財宝カードです。例えば、こんな感じです「木こりをプレイして、銅貨1枚と銀貨1枚で市場を買います。さらに豊穣の角笛の効果で、コスト4までのカードが獲得できるので、銀貨を獲得します」。このカード、実は非常に強力で、序盤から終盤まで、ずっと使えるのですが、ちゃんと抑止力も効いていて、それは「このカードを用いて勝利点カードを獲得した場合、このカードを破棄する」というものです。そう、終盤になると、プレイスタイルによっては、わりと8種以上のカードをプレイするので、下手すると、このカードだけで属州が2枚も3枚も買えてしまえるのです。それを防ぐための装置、上手く効いています。
 今回のプレイはカード運も良く、早い段階でトーナメントを成立させることができ、褒賞カードを何枚も獲得でき、複数回、稼働させることができました。終盤、役に立ったのは、ハンティングパーティ。
 ハンティングパーティは収穫祭のテーマを、上手く表現しているカードでしょう。手札を公開し、その後、デッキから「今の自分の手札にないカードが出るまでめくり続け、出たらそれを手札に入れる」というカードで、例えば、これで属州を呼び寄せたり、トーナメントを呼び寄せたりできるのです。面白いカードです。
 点数は失念しましたが、今回も勝利
 他のカードも軽く触れますか。
 ハーヴェスト。まさに「収穫」という名前のついているカードですが、果たして、これが良いカードかどうかは議論の余地がある気がしてなりません。山札の上から4枚を公開し、その種類数がそのまま仮想金になるカードです。つまり、めくった4枚が4枚とも銅貨だったりしたら1金にしかなりませんが、4枚とも異なるカードだとしたら4金になるというカードです。ここまでは、まあ、いいんですけれど、問題は、めくった4枚を、4枚とも捨札にしてしまうことです。これは、いけません。不要なカードを4枚めくられたら嬉しいですけれど、デッキの純度を高めるプレイが好む圧縮派の秋山としては、相性の悪さが否めません。コンスタントに仮想金3金程度をもたらしてくれる良いカードかもしれませんが、コスト5のアクションカードで3金というのもなあ……という感じです。

ドミニオン収穫祭、3戦目

 サプライは下記の通り。
 Hamlet、Young Witch(、宰相)、Farming Village、Horse Traders、Remake、礼拝堂、魔女、望楼、祝祭、木こり。*4
 今回は3-4スタートだったので、何も考えずに3金で礼拝堂を買ってしまったのですが、買った直後に、前手番のマツダさんが2金でハムレットを買ったことを思い出し、顔面蒼白に……。このサプライで2-5スタートなら、魔女一択です。にも関わらず、望楼ではなく礼拝堂を買ってしまうなんて……! 負けたorz、と開始1分にして思いましたが、この時点では、まだHorse Tradersこと馬商人とハムレットと望楼の鬼のようなコンボには、気づいてすらいませんでした。
 馬商人は一風変わったリアクションカードです。ただ、その真価はリアクション時よりも、アクション時にあると言っていいでしょう。効果は3つ「+1購入権」「+3金」「カードを2枚捨てる」、つまり屋敷や銅貨等の不要なカードを2枚捨てるだけで、仮想金3が手に入るのです! これでコスト4は安すぎじゃろうて。
 ハムレットもコスト2であることが信じられないくらい優秀なカードです。基本の効果は「+1ドロー」「+1アクション」だけですが、カードを1枚ないし2枚捨てることで、以下の3種類の効果を選択することができます「さらに+1アクション」「+1購入権」「前述の追加効果を両方」。換言すれば、不要なカードを1枚捨てるだけで村に化けるのです。
 中盤の秋山のドロー無双は、我ながら鬼畜でしたね……。
ハムレットでカードを2枚捨札にして、望楼で5枚ドローして、ハムレットでカードを1枚捨てて、馬商人でカードを2枚捨てて、望楼で6枚ドローして……」
 しかし、このサプライは、未だFarming Villageこと農村*5という業を抱えていました。
 農村は、いわゆる鉱山の村や労働者の村と同じく村の上位互換。今回の効果は「+2アクション」の他に通常の1ドローではなく「アクションまたは財宝カードが出るまで山札をめくり続け、出たらそれを手札に加える」です。つまり、絶対に役立つカードがドローできる村なわけです! こ、これは鬼のような能力やぁ……山の神さんが吠えておるわぁ……。
 最終的には、呪いとハムレットが切れていたので、属州を6枚抑えた時点で、3山切れにしてゲームを終了させ、勝利。圧勝できたのですが、なんだか申し訳のない勝ち方をしてしまいました。イメージ的には、都市を7枚買い集めて勝ったのと同じくらい酷い勝ち方でした。
 他のカード。
 Young Witchこと魔女娘には、可哀想なことをしてしまいました。この子、魔女の下位互換でした。にも関わらず、うっかりサプライに魔女を入れてしまったので、魔女がいるときにスルーされる海の妖婆のようになってしまいました。魔女娘……不憫な子。
 Remakeこと再建……言うまでもなく改築、改良、拡張の流れを組む系統のカードです。しかし……! これが……! いかにも使いにくい!! カードを1枚廃棄し、+1コストのものを獲得せねばならない、これを2回繰り返す。という、イメージ的には玉座の改良なのですが、ドローもアクションもつかないので、使いづらいことこの上ないです。こんなに微妙でコストが4もあるのってどういうことなの……。

おわりに

 そんな感じで、ついつい目新しいカードが嬉しくて、全力でプレイしてしまい、4戦4勝してしまいました。接待プレイが出来ない秋山で申し訳ありません。次は収穫祭のカードだけでプレイしてみたいですね。
 収穫祭自体の感想ですが、相変わらずテーマがゲームにいい具合に反映されているなあと感じました。ルールを読んだときは「拡散と集中」がテーマだと感じ、実際にプレイしてみたら「多様性」がキーワードかなと思ったのですが、プレイ後は「仕込みと回収」という表現がいちばんしっくり来るなあという思いました。
「仕込みと回収」言い換えれば「田植えと刈り取り」即ち「収穫祭」!!*6


……もう少し、続けさせてください。
 収穫祭のカードは、ユーザにバランスを意識させますね。従来のドミニオンの場合「選択と集中」というキーワードがありました。例えば寵臣プレイをするのであれば、寵臣のカードを5枚は持っていないと駄目ですし、庭園プレイをするのであれば役人や工房みたいなカードを増やしてくれるカードは、いくら所持していても困りません。つまり「自分がどういうスタイルでプレイするかを、サプライが出来上がった時点で決めさせ、その通りにプレイさせる」ことを、従来のドミニオンは、変な表現をすると「強制」していたように思います。
 収穫祭におけるカードは、その方向性とは真逆です。
 カードの種類を重要視するカードは「選択と集中」を許しません。むしろ、どのカードも満遍なく購入させるように、平準化を志向しています。
 これは奇妙な話です。
 本来、ドミニオンは共通のサプライから、オリジナルのデッキを構築するゲームでした。ここに「カードを満遍なく買いなさい」というオーダーが来ることは、ある意味、デッキを「構築させない」ことを意味します。デッキ構築ゲームにも関わらず、デッキを構築させないとは、こはいかに?
 この問いを自分自身に投げかけたとき、湧き上がったきたのは答えではなく「ついにドミニオンはここまで来たか」という感動でした。改めて考えると、これは凄いことです。秋山が最初にドミニオンをプレイしたのは、繁栄が日本語化される直前で、ラ管連のボドゲオフで錬金術までをプレイし、柏木で繁栄英語版をプレイしましたが、あのときには、このゲームが、こんな風に成長進化するとは、思いもしませんでした。
 多くのドミニオンライクなゲームが、旧来のドミニオンと同じく「楽しいデッキ構築」を志向している中、王者ドミニオンは、既にして次のステージに進んでいたのです。


 他にも、幾つかアイデアがあるのですが、今日は、ここらへんで。
 ネットドミニオン対戦ツールに収穫祭が追加されたら、また何十回かプレイして、感触を掴みたいですね。収穫祭と他のセットとの組み合わせも気になります。

*1:面白くない。

*2:マツダさんが、id:re_ne:20110617:1308333418を印刷持参されていたので、この日は、ここの和訳を活用させて頂きました

*3:コスト8で勝利点6点の属州なんて、もはや目ではありません!

*4:2種、失念。ここらへんが記憶力の限界。マツダさん、フォロー願います!/追記、ありがとうございました。

*5:労村と区別が付きにくくて困ります!

*6:だれうま。