あらすじ。
広大なる銀河系の片隅にて、神々と鬼々が、いちゃついていて、その狭間で人々がモミクチャにされていました。どうにもいじらしかったので、この時代の最強として秋山真琴を、ひとり送り込むことにしました。
物理的な強さと精神的な強さが、うまく噛みあってなかったがために秋山真琴本人は、あっさり死んでしまいましたが娘の飛琴ちゃんが健気にも真琴の名と、最強の気位を継ぎました。
親の死に様を見て学習したのか、飛琴ちゃんは、わりと堅実に当主の務めを果たしましたが、なんか掛かっていた短命の呪いには打ち勝てず、2年を待たずに永眠。
3代目当主として秋山真琴の名を継いだ愛琴ちゃんと、その息子・影琴くん(床上手)。それから飛琴ちゃんの子や孫である、丸琴ちゃん、黒琴くん、七琴ちゃん、双琴ちゃん。彼ら6人は、今日も、健気に打倒朱点童子! と叫んでいます。
そんな感じで第二章です。
1021年1月
今月もせっせと討伐に励みます。
1021年2月
来る日も来る日も討伐討伐。
いい加減、雑魚敵には飽きたのだと、この月、出撃隊長の黒琴くんが九重郎を駆け登ります。目的は祖父である初代秋山真琴の仇である七天斎八起を打倒すること。
いざ! 尋常に勝負!!
壮絶なる死闘を繰り広げることになるであろうと予想されていた、対七天斎八起ですが、まさかの3ターン撃破。
これでは、そこらの雑魚と同程度です。
七天斎八起、こんなに弱かったのか……。
と言うか、強くなりすぎたのか。
祖父の仇が予想に反し、あまりに貧弱で、黒琴くんは、むしろ不満そうです。秋山も不満です。
1021年3月
この怒りは、短命でない人間たちにぶつけよう。
そう思って黒琴くんたちは、春の第9回大会に参加。春の大会は、夏の大会で良い成績を収めたものだけが参加できる、より苛烈な大会であるらしいです。
が。
あっさり優勝。
弱い……! 弱すぎるぞ人間たち……!
1021年4月
気がついていないうちに、だいぶ強くなっていたらしい秋山一族。どれ、他の中ボスにも着手してみるかと鳥居千万宮の稲荷ノ狐次郎に挑戦。
打破!
余裕。
余裕である。
4ターン掛かったので、あのダルマっぽいのと比較すると苦戦と言えますが、それでも、ちょっと強いザコと表現できるレベルです。
意気揚々と凱旋した黒琴たちを待っていたのは病床の丸琴ちゃんでした。
お疲れ様でした、丸琴ちゃん。よく頑張ったね。
1021年5月
数々もの武勲を挙げた黒琴くんの血を失うのは惜しいと思い交神して頂きます。
その後、3代当主の愛琴ちゃんに寿命が訪れます。
飛琴ちゃんの三人兄弟を失わせてしまった美琴ちゃんの忘れ形見として、従兄弟たち率いた剣士・愛琴ちゃん。息子が床上手とか噂されているのを知っているのか知らないのか、いいこと言いますね。
愛琴ちゃんの後を追うように黒琴くんも永眠。
1021年7月
黒琴くんの娘、白琴ちゃんが生まれます。かけっこ大好きワンパク娘には弓使いを任じます。剣士の祖を真琴、薙刀士の祖を飛琴としたとき、弓使いの祖は黒琴くんということにしましょう。
どんどん家族を増やすため、双琴ちゃんにも交神して貰います。
6人もの息子と娘を生んだ飛琴ちゃんの、最後の子ども七琴も永眠。あの世では、なにを賭けるのだろうね。
1021年8月
七琴ちゃんの娘、伏琴ちゃんです。
趣味が下ネタとか……。
伏せるように生きなさい、という意味を込めて伏琴と名づけ、薙刀を持たせます。
寝床での活躍に定評のある影琴が、そろそろ出番が欲しいとうるさいので交神させます。こいつ大丈夫か。
1021年9月
双琴の娘、天琴ちゃんです。ムスっとしてる朴念仁。しっかりやりなさいと薙刀士になって貰います。
先月、初めて交神して、神様の味を知った影琴くんが、もっと交神したいとうるさいので、再び交神させます。駄目だこいつ早く何とかしないと……。
1021年10月
影琴くんの息子、実琴くんがやってきます。イケメンだなあと思っていたら、こいつ、やってくるなりイツ花の尻を撫でて、しかも「後生だから」とか、マジ意味わからん。死ね。剣士。
ちなみに現在の投資状況は、こんな感じ。
1021年11月
影琴くんの第2子、蛍琴ちゃんがやってきます。愛称は破れ傘。うん、はぐれ剣豪っぽいですね。床上手の影琴の時点で、だいぶ嫌な予感がしていましたが、もう秋山一族の剣士の血統は、地に堕ちましたね。
1021年12月
討伐!
1022年1月
討伐!
1022年2月
討伐!
1022年4月
当主になった白琴ちゃんには交神して頂きます。
1022年5月
数々もの武名をはせた黒琴くんの娘らしく、白琴ちゃんも実に好戦的です。
「そろそろ各ダンジョンのボスを倒すべきでは?」と提案する5代当主の発言に反対できるものは、秋山一族にはいません。
伏琴、天琴、実琴を率いて鳥居千万宮に突撃、稲荷ノ狐次郎を3ターンで撃破し、さらに最奥へと突き進み、そこに待ち受けていた九尾吊りお紺と接敵!
白面の者を思わせる、お紺の全体攻撃は厄介で、何度か危機を覚えましたが、辛くも勝利!
これにて鳥居千万宮攻略完了!!
さすが黒琴くんの娘。
アーチャーという後方支援的なクラスでありながらも、強敵を倒していく白琴は、この日、光り輝いていました。
1022年7月
討伐!
1022年8月
鳥居千万宮の次は九重楼と狙いを定めた白琴ちゃんは、一気呵成に楼閣を登りつめると、頂点に待ち受けていた雷神風神っぽいのと遭遇します。
中々に豪快な兄弟でした。
風神の方は、漢字だけで会話するのかなと思いきや、そんなわけもなかったです。
苦戦しましたが、実琴くんの刀が冴え渡り、華麗に撃破。
そう言えば、対九尾吊りお紺戦においても白琴ちゃんの陰に隠れがちではありましたが、実琴くんは、それなりに良い仕事をしていました。
吉報を持ち帰った彼らを待ち受けていたのは、死にゆこうとしている影琴くんでした。
おまっ……。
ロリコンだったのか……!
1022年9月
才気煥発・実琴くんの血を絶やすわけにはいかないと交神させます。きっと美少女が生まれます。
1022年10月
天琴ちゃんにも交神して頂きます。
1022年11月
実琴くんの娘、姫琴ちゃんが誕生します。
信条に一発逆転の四文字を見た瞬間に、秋山の脳裏に電流が走りました。迅速果断を信条として掲げていた初代秋山真琴のことを思い出します。
村に降りて、剣福なる刀鍛冶に頼んで姫琴ちゃんのために刀を鍛えさせます。
銘は琴々丸。
じっくりコトコト鍛えることにします。
1022年12月
討伐!
1023年1月
老いた白琴ちゃんの代わりに出撃隊の隊長を務めることになった伏琴ちゃんが相翼院の最奥にて、片羽ノお業と出会います。
伏せるように生きなさいと名前を与えられた伏琴ちゃんと、天女の羽衣を持ち、空中を舞い踊るお業。
かなりの苦戦を強いられましたが、地を這う伏琴ちゃんの薙刀が天女の首を捉えた時──、勝負は決していました。
1023年2月
天琴ちゃんの娘、火琴ちゃんがやってきます。
2代目の飛琴ちゃんと同じ音を持つ彼女。口癖の「桑原、桑原」もなんだか、っぽいです。彼女には薙刀士になって頂こうと思っていたのですが、うっかり操作をミスって、槍使いにさせてしまいました。
ガーン……。
……、…………まあ、よいでしょう。飛琴ちゃんが、秋山一族における薙刀士の祖になったように、火琴ちゃんには、槍使いの祖になって頂きましょう。
ま、それはそれとして、薙刀士の血統が失われてもいけないので、天琴ちゃんには、もう一度、交神して頂きます。
1023年3月
討伐!
1023年4月
天琴ちゃんの第2子、明琴ちゃんがやってきます。今度こそ、薙刀士になって頂きます。
それにしても。
うん。
かわいらしいですね。
無口という設定も素敵です。
今日に至るまで秋山一族の中で、いちばん好きかもしれません。
良い薙刀士になれるよう、天琴ちゃんに訓練をつけてあげるよう言付けしてから討伐に向かいます。
そして。
運命の瞬間が訪れます。
琴々丸を手に、戦場を駆け巡っていた姫琴ちゃんの手に、ひとつの工夫が成ったのです。
奥義創造です!
ひと呼んで、疾風剣姫琴!!
生まれたときから「この子は何かをやるぞ」と思っていた確信が、見事に形を結びました。生まれ持った才と、じっくりコトコトの努力が手を結んだ結果ですね。
喝采をあげ、秋山家に舞い戻ります。しかし。
待っていたのは当主・白琴ちゃんの死でした。
6代目当主の座は蛍琴ちゃん……のつもり、またまた操作ミスで実琴くんにしてしまいました。ま、いっか。害はないし。
1023年6月
今月は、白骨城が現れているので、鳳琴くん、姫琴ちゃん、火琴ちゃん、明琴ちゃんの4人で討伐に向かいます。姫琴ちゃんは奥義を創造した後も、天狗になることなく、じっくりコトコト琴々丸を振るい続けています。
そして。
2人目の奥義創造は、明琴ちゃんです。ひと呼んで、双光明琴斬。読み方は「そうこう あけこと ざん」でしょうが、どうしても「そうこうみょう こときり」と読みたくなってしまいますね。
1023年7月
鳳琴くんの娘、春琴ちゃんがやってきます。
不思議な柄の髪飾りをつけています。しかも、悪癖:やけ食い。なんでしょう、この妙に、ステッパーズストップを感じさせる風貌は。
槍使いにしてフィラデルフィアを持たせてあげようかとも思いましたが、素直に弓使いに。
そして、この月、じっくりコトコト姫琴ちゃんに、ちゃんとした子どもを生んでもらうべく、交神して貰います。
1023年9月
ついに。
ついに誕生しました。
姫琴ちゃんの娘、染琴ちゃんです。
「なし崩し」が得意だという彼女に、なんとなく床上手・影琴の影響が見え隠れしますが、気にしません。何故なら、彼女は、初の奥義創造に至った姫琴ちゃんの愛娘なのですから。きっと素晴らしい剣士に育つことでしょう。
このときの秋山の想いは、どちらかと言うと期待に近いものでした。けれど、後に染琴ちゃんは、秋山一族を代表する剣士として名を馳せる偉業を成し遂げることになるのです。
その話は、またその時が来たら。
1023年10月
なんかお祭りをやっています。
銀河系最強を称えるお祭りらしいですが、どこにもツインテ美少女の姿が見えません。
火琴ちゃんに交神して頂きます。
1023年11月
11月です。
大江山の門が開きます。
火琴ちゃんが「行こう」と言い、無口な明琴ちゃんが静かに立ち上がり、春琴ちゃんが「お腹減った」と応え、染琴ちゃんが不敵に微笑みました。
彼女らは威風堂々と大江山を登ると、途中に待ち受けていた痩せ仁王と太り仁王を蹴散らし、石猿田衛門を返り討ちにします。
大江山は存外に高く、踏破に一ヶ月を要しました。
1023年12月
1023年12月、はい、1023年12月です。
大江山の最高峰にて──、
ついに再戦のときです。
朱点童子!!
強大なる力の嵐に4人は翻弄されます。
奥義を身につけている染琴ちゃんと明琴ちゃんが先陣を切り、火琴ちゃんと春琴ちゃんがサポートに回ります。
朱点童子と4人の戦いは、だいたい三日三晩に亘って繰り広げられ、ついに、ついに……。
朱点童子は、カッと目を見開くと、ゆっくりと倒れ伏しました。ちなみに、朱点童子が、その巨体を支えきれなくなり、倒れたときの衝撃で、大江山に生えていた木が、十本ばかり倒れたとのことです。
倒れた朱点童子を見下ろしながら、明琴ちゃんが呟きます「成った」と。
彼女の脳裏には、2つ目の奥義「明琴猛毒刃」が明瞭に思い描かれていました。
なにはともあれ。
後は、山を降りて、イツ花の待つ家に戻るだけです。
そうして、宴を開き、酒を飲んだり、やけ食いしたりするだけです。
哀、秋山真琴戦記。こと『俺の屍を越えてゆけ』プレイ日記も、第二章にして完結。……と思った? 残念、黄川人くんでしたー
第三章に続く。