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量子人狼をオフラインで遊べないか考えてみた

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 話題のネットゲーム『量子人狼』をシンプライズして、オフラインで遊ぶ方法を考えてみました。

概要

タイトル:オフライン版量子人狼
プレイ人数:10人〜14人
プレイ時間:30分〜1時間

用意するもの

・人数分の紙
・人数分のペン
・100面ダイス(スマホアプリ可)

ストーリー

 神によって世界が創造されました!
 しかし、横着した神は、全人類の定義を、きちんとしませんでした。量子人間たちは、自分たちの中に狼がいることを知っていますが、誰が狼になるか分かりません。量子人間たちは、とりあえず処刑を始めることにしました。

ゲームの準備

 全プレイヤに紙とペンを配ってください。
 百面ダイスはGMが持ってください。
 全プレイヤがお互いの顔を見えるように着席したら、ゲームの始まりです。

ゲームの目的

『オフライン版量子人狼』は正体未確定ゲームです。各プレイヤは処刑死ないし襲撃死した際に、波動関数が収束し、役職が確定します。量子人間から人間になったプレイヤは人間陣営の勝利条件を持ち、量子人間から人狼になったプレイヤは人狼陣営の勝利条件を持ちます。
【人間陣営の勝利条件】人狼が勝利条件を満たす前に、人狼を全員処刑する。
【人狼陣営の勝利条件】村の過半数を人狼にさせる。

ゲームの編成

・人狼:2人
・占い師:1人
・村人:残り全員

ゲームの流れ

 ゲームは下記ラウンドの流れに沿って進みます
【最初の夜】>【1日目 昼の時間】>【1日目 夜の時間】>【2日目 昼の時間】>【2日目 夜の時間】>(中略)>【最終日 昼の時間】>【最終日 夜の時間】
 ゲームは【最終日 昼の時間】もしくは【最終日 夜の時間】に終了します。尚、何日目が最終日になるかは、ゲーム展開に左右されます。
 各ラウンドについて説明します。
【最初の夜】全プレイヤはGM合図の元、各プレイヤは希望する襲撃先を指差してください。指を差されたひとは、手元の紙に「自分を指差したひとの名前」をメモをしてください(これを〈襲撃先指定の記録〉と呼びます)。全員がメモを取り終えたらこのラウンドは終了です。
【1日目 昼の時間(議論時間)】議論時間として5分〜10分を目安に、GMは時間を計ってください。この議論時間の間、各プレイヤは1度だけ、自由に占い結果を発表することができます。誰を占ったか、その判定結果が人間であったか人狼であったか、自由に発表することができます。発表したプレイヤは、手元の紙に判定結果をメモするようにしてください。
【1日目 昼の時間(投票時間)】議論時間が終了したら、そのまま投票時間に移ります。GM合図の元、各プレイヤは希望する投票先を指差してください。投票の結果、処刑されるプレイヤが確定したら、GMは、そのプレイヤに「今までに襲撃先として指を差された人数」を確認してください。その人数を参考に、GMは物陰で100面ダイスを振り、そのプレイヤが処刑された結果、人間に収束したか、人狼に収束したかを発表してください(これを〈処刑死の判定〉と呼びます)。人間に収束した場合は、そのプレイヤに人狼判定を出したことのあるプレイヤに、人狼に収束した場合は、そのプレイヤに人間判定を出したことのあるプレイヤに、それぞれ手を挙げるように指示してください。ここで手を挙げたプレイヤは、占い師である可能性を失い、以後のゲームにおいて、占い結果を発表することができなくなります。尚、この時点で生きている全プレイヤが占い師である可能性を失った場合、1日目に処刑死したプレイヤが真占い師として確定します(これを〈占い師の判定〉と呼びます)。人狼に収束した場合は、そのプレイヤが以前に襲撃先に指定していたプレイヤは襲撃死し、人間に収束します(これを〈襲撃死の処理〉と呼びます)。その後、処刑死し人狼に収束したプレイヤに人間判定を出していたプレイヤと、襲撃死し人間に収束したプレイヤに人狼判定を出していたプレイヤに手を挙げるように指示してください。ここで手を挙げたプレイヤは、占い師である可能性を失い、以後のゲームにおいて、占い結果を発表することができなくなります(これも〈占い師の判定〉と呼びます)。尚、この時点で生きている全プレイヤが占い師である可能性を失った場合、どのプレイヤも占い師ではなくなることになるので確率が定義できないことになり、世界は崩壊し〈引き分け〉となります。以上の流れのなかで、なんらかの理由で死亡したプレイヤの名前を、襲撃先指定として紙に書いていたプレイヤは、その名前を横線で消してください(これを〈襲撃先指定の修正〉と呼びます)。これによって〈襲撃先指定数〉が下がります。
【1日目 夜の時間】最初の夜と同様に、GM合図の元、各プレイヤは希望する襲撃先を指差して、指を差されたプレイヤは、「自分を指差したひとの名前」をメモをしてください。尚、この時点で〈襲撃先指定数〉が生きているプレイヤの人数と同値になった場合、そのプレイヤは襲撃死し、人間に収束します(これを〈襲撃死の判定〉と呼びます)。その後、忘れずに〈占い師の判定〉と〈襲撃先指定の修正〉を行ってください。
【2日目 昼の時間(議論時間)】前日同様に処理してください。前日との差異は、占い師である可能性を失ったプレイヤが、占い結果を発表できないことです。
【2日目 昼の時間(投票時間)】前日同様に処理してください。〈処刑死の判定〉を行った結果、プレイヤ人数が0人になった場合〈引き分け〉となります。プレイヤ人数が1人以上で人狼が0匹の場合〈人間陣営勝利〉となります。プレイヤ人数が1人の場合、そのプレイヤは人狼に収束し〈人狼陣営勝利〉となります。プレイヤ人数が2人の場合〈引き分け〉となります。プレイヤ人数が3人以上の場合、ゲームは続行します(これを〈勝敗の判定〉と呼びます)。
【2日目 夜の時間】前日同様に処理してください。

ゲームの流れ(まとめ)

【最初の夜】〈襲撃先指定〉〈襲撃先指定の記録〉
【昼】〈投票の処理〉〈処刑死の判定〉
【昼(人間収束)】〈占い師の判定〉〈襲撃先指定の修正〉〈勝敗の判定〉
【昼(人狼収束)】〈襲撃死の処理〉〈占い師の判定〉〈襲撃先指定の修正〉〈勝敗の判定〉
【夜】〈襲撃先指定〉〈襲撃先指定の記録〉〈襲撃死の判定〉〈占い師の判定〉〈襲撃先指定の修正〉

処刑死の判定について

『オフライン版量子人狼』における唯一のランダム要素が〈処刑死の判定〉によって、処刑死したプレイヤが人間に収束するか、人狼に収束するかです。判定方法はGMに一任されており、GMには〈襲撃先指定数〉を参考にすることと、百面ダイスを使用することが許されています。いわゆるウルトラバイオレット方式です。
 判定時は、以下を参考にしてください。
〈襲撃先指定数〉が多ければ多いほど、より多くのプレイヤに狙われているので、逆説的に、そのプレイヤは、より人間である確率が高いと言えます。

■例1
 プレイヤ人数10人、全員の〈襲撃先指定数〉が1であるとき、各プレイヤは80%人間20%人狼であると言えます。
 百面ダイスを振って、20以下だったときに人狼に収束するように判定。

■例2
 プレイヤ人数10人、その内2人の〈襲撃先指定数〉が5であるとき、その2人は80%人間20%人狼、残りの8人は60%人間40%人狼であると言えます。

■計算式
残村人数÷総人数−{1−(残村人数÷総人数)}*(総人数*ラウンド数−襲撃先指定数)÷総人数*ラウンド数+{1−(残村人数÷総人数)}*襲撃先指定数÷総人数*ラウンド数

 上記計算式ですが、学生時代に真面目に数学の授業を受けておらず、今ひとつ正しいのかどうか自信を持てず……詳しい方、ご確認頂ければ幸いです。特に例2と計算式は怪しいです……。
 とは言え、まあ、実戦においては、ここまでの計算を咄嗟に行うのは、ほぼ不可能なので、気分で対応してください。

ヴァリアントルール【ロールプレイ】

 ゲーム開始時に『最後の晩餐』や『究極の人狼』など、キャラクタの描かれたカードを配ります。ゲーム中、渡されたカードに描かれているキャラクタを装ってプレイすると、雰囲気が出ることでしょう。
 このヴァリアントルールには、人狼にありがちな「○○さんだから吊ろう」という事態を防ぐ効果があります。

ヴァリアントルール【大人数でのプレイ】

 15人以上でプレイしたいときは、このヴァリアントルールを取り入れてください。
 基本ルールとの差異は、人狼になる人数です。目安として15人〜19人で3匹、20人〜24人で4匹とすると良いでしょう。

デザイナーズノート

 とにかく処理が煩雑な『量子人狼』を、なんとかしてオフラインでも遊べないものかと考えて作ってみました。
『オフライン版量子人狼』においては「ゲーム中における、プレイヤの行動によって、他プレイヤの役職が変動する」という『量子人狼』にある要素を、重要なコンセプトとして採用しています。プレイヤの行動によって、どんどん状況が変わる醍醐味を味わって頂ければ幸いです。
 また、GMの負荷を可能な限り減らすという工夫も入れています。占い結果をプレイヤの手に委ねるという改変は、そういった考えから生まれています。

終わりに

 と言うわけで、需要があるかどうか分かりませんが、作ってみました。変なところがありましたら、ご指摘ください。そして、よろしければ遊んでみてください。
 秋山も、余裕があって、希望者がいれば、ミスボドで立ててみようかなと思います。