雲上四季

本と涙と謎解きと、愛しさと切なさとボードゲームと

好きなボードゲームを10作挙げてみてよと言われたら

 オールタイムベストとなると、けっこう悩ましいですが、試しに「ここ1年で遊んだもの中から」という制限を加えれば、わりと、パッと思い浮かぶものですね。
 と言うわけで、考えてみます。

花火


 1位は、もう、完全にこれですね。ボザの『花火』ですよ『花火』
 ドイツ年間ゲーム大賞を受賞したこともあり、遊ばれた方も多いと思うのですが、これ、色んな意味で日本的なゲームですよね。夏の夜空に、五色の花火を打ち上げるという雰囲気からして、日本の雰囲気に溢れていますが、そこに相手を慮る心遣いや、相手の気持ちを汲み取り、察する能力を求めるあたり、見た目の日本と中身の日本が揃っている印象があります
 とても好きなゲームなのですが、25点を目指す完全勝利を狙うとなると、雰囲気が変わってしまうのですよね。初対面の方と、和やかな空気で遊んでいても、多分、満点に至ることは、ほぼ不可能で、ある程度、気心の知れたメンバーと、じっくり時間を掛けて取り組まないと満点は難しいです。
 このメンバー探しというのが、個人的には、いちばん難しいところで、ゲームが始まる前からゲームになっている感じがします。
 とは言え、素晴らしいゲームであることには違いないので、ことある毎にファンを増やしていって、今年も25点満点を達成したいと思います。あ、写真は、実際に25点を達成したときのものです。

炭鉱讃歌


 続いてはクラマーとキースリングがデザインした『炭鉱讃歌』
 クラマー&キースリングと言えば、いちばん人気は『トーレス』でしょうか。『ティカル』『勝利への道』『エバーグリーン』なども評判が高いですね、近作だと『カッラーラ』かしら。『バイソン』も悪くないと思うのですが、あまり遊ばれているところを見掛けません。
 わりと正統派なところがあって、悪くはないんだけれど、強く推したい気持ちにはなれない。と言うわけで、長らく秋山にとってクラマー&キースリングは、一度、遊べば充分というデザイナだったのですが『炭鉱讃歌』は別格です
 ワーカープレイスメントは好きだけど、もうカツカツな食料供給には飽きた。数は力を実行するために、ワーカーを増やす前半が面倒。エリアマジョリティを競うのは良いけれど、上家の気持ちひとつで手が左右されるのは気に食わない。拡大再生産するなら最後まで再生産したくて、途中から勝利点を狙うための行動をしたくない。
──思わず、昨今のボードゲームに対する恨みつらみばかりを、並べ挙げてしまいましたが、こういった言葉にできないものを内に抱えていたことに対し、気付きを与えてくれると同時に、「もしかして君が求めていたのは、こういうゲームじゃやないのかい?」という声と共に颯爽登場してくれたのが『炭鉱讃歌』なわけです。
 依頼を請け負って、お金を貰って、トロッコを買って、石炭を掘って、出荷して、勝利点を得る。やらなければならないことが、とにかく明確なんですよね。その上、使えるワーカーが、いっぱいいて、上手番のプレイヤに、自分がやろうとしていたことを先に取られても、ワーカーを1つ多く置けば、同じアクションを取ることができるという自由度の高さも魅力です。
 依頼内容やトロッコが、カードやタイルになっているので、ある程度のランダム性が入っているのも好印象ですし、ほんとう、自分がボードゲームに望んでいた、すべてが、このゲームに入っていると言っても過言ではありません。傑作ですよ。

セイルトゥインディア


 国産のゲームで、昨年、いちばん話題になって、いちばん遊ばれたのは、このゲームなのでは? と勝手に思っていますが、どうでしょうか。いや、でも『ロストレガシー』の方が遊ばれてるかも……。
 さておき、OKAZU brandさんの『セイルトゥインディア』です。いわゆるワーカープレイスメントなのですが、一種類のコマで、すべてを表現するというアイデアが、とにかく優れています。ひとつのコマが置く場所によって、船乗りになり、商人になり、建築家になり、またお金を所持するには金庫番にせねばならず、勝利点を保持するには歴史記録官にしなければならないという徹底ぶりが凄まじいです。
 この、カツカツ感を乗り切って、色々と出来るようになってくる中盤以降が、とても楽しいんですよね。謎の万能感があります。
 惜しむらくは販売方法でしょうか。ゲームデザインが優れていれば、コンポーネントはチープでも構わないということを、完璧に証明してしまったどころか、後にゲームフィールドさんから出たバージョンも、カードゲームの域を脱しておらず、もう少し、作りようはあったのではないか……と思わないでもないです。

カヴェルナ


 国内での、ちゃんとした流通は、まだ先の様子ですが、ウヴェ・ローゼンベルクによる『アグリコラ』のリメイクとも呼ばれる『カヴェルナ』これも好きです。
 最近『アグリコラ』は、なんかボードゲームにおける中ボスみたいな位置づけになっているような印象です。「軽量級には飽きたから、少し重いのをやってみたい? ならば『アグリコラ』をやれい!」「ふむ、ワーカープレイスメントを遊んでみたい? ならば『アグリコラ』をやれい!」「『ドミニオン』で強くなりたい? ならば『アグリコラ』をやれい!」
 まあ、最後のひとつは冗談ですが、ことある毎に『アグリコラ』というキーワードが出てきて、ボードゲームを始めたひとが、ある時点で、通らなければならないゲームのひとつになっている印象です。
アグリコラ』は確かに面白いゲームです。否定はしません。繰り返し遊ぶことによって、その真髄が見えてくるスルメのようなゲームだとも思います。ネットを含めると100回くらいはプレイしたでしょうか。でも、最近になって、もう、これ以上は良いかなあという気もしているのです。なんでしょうか、やっぱりカードなのかな。ドラフトは楽しいのですが、試行回数が増えれば増える分、全体的には平準化が進むわけで、『アグリコラ』というゲームにおける楽しさの骨子が、ボードではなくカードにあるような気がしてくるのです。カードドラフトとワーカープレイスメント、前者の方が、より重みを持っているように感じてきたのです。
 前段が長くなりましたが『アグリコラ2』とも呼ばれる『カヴェルナ』これは、秋山の求めていたものに近いです。カードドラフトは撤廃され、すべてのタイルは早い者勝ちに変わり、ワーカープレイスメントに特化されました。まだ1度しか遊んでいないので、傑作とは言い切れませんが、少なくとも「向かいたいのはこっちだ!」という確信があります

東海道


 1位の『花火』に続いて、こちらもボザのゲームです。
 ボザのゲームと言えば『7Wonders』が、いちばん有名ですが、個人的には東海道の方が、断然、好きですね。
 まず、テーマが良いです! 東海道五十三次を旅するという雰囲気が、とてもとても良いです。温泉に入ると勝利点が得られるのですが、めくった温泉カードに猿がいると、勝利点が増えるというのは、とても良い味を出していますよ。だって、ただの温泉と、猿の入ってる温泉なら、猿の入ってる温泉の方が良いじゃないですか! ここらへんの趣きを、ゲームに盛り込むのがボザの良いところですよねえ。
東海道』というゲームの根幹なすところに手番という考え方があって、先手番なのか、後手番なのかが非常に重要な意味を持ってきます。これはフリーゼの『電力会社』も、そうなのですが、概して、ゲームに勝利するのは、競りやマジョリティを制したプレイヤではなく、手番を制したプレイヤなのです。この、見極めと言うか、狙いと言うのが、けっこう渋くて、生きている人間と遊んでいる感を、強く得られますね。この仕組みを把握しているかどうかは、ほんとうに重要で、初プレイのひとが経験者に勝つのは、けっこう難しいと思います。逆に、経験者同士だと、なかなか高い次元の読み合いが発生して、ぞくぞくします。良いゲームですよ。

ゴーストハンター13 タイルゲーム

ゴーストハンター13 タイルゲーム

ゴーストハンター13 タイルゲーム

 ほんとうは『丘の上の裏切り者の館』を挙げようと思っていたのですが、ほぼ同じシステムなので、より洗練されていて、より趣味に近い、こちらを挙げることにしました『ゴーストハンター13 タイルゲーム』
 グループSNEによる同名のTRPGの世界観を元に、タイルを用いたボードゲームにしたというものですが、いやはや、こういうの大好きなんですよ。他のプレイヤと結託しながら、謎の洋館を、探索するなんて最高じゃないですか。
 ゲームバランスと言うか、難易度は、いかがなものか……? と思わないでもないですが、これくらい崩壊していた方が、ありだという気持ちもあります。シナリオ的には13ある内の、4番目くらいまでしか遊べていないので、好きなひと同士で集まって、ぐいぐい進めて全部を遊びたいですね。2日くらい掛かりそうですけれど……そして、オールクリアしたら、オリジナルシナリオを作ってみたりして、より深く遊びたいです。
『マンション・オブ・マッドネス』や『惨劇RoopeR』が好きなひとは、けっこう楽しく遊べるんじゃないかと思うんですが、どうでしょうか。名古屋近郊で気になる方は、お声掛けください、土日を使って挑戦する会を企画しましょう
 ちなみに、驚くべきことに、今までに一度も写真を撮っていませんでした。代わりにamazonへのリンクを張っておきます。

ヘイムスクリングラ


 忘れてはならないのが、これですね『ヘイムスクリングラ』
 名前が覚えにくいのですが、ゲームとしては、かなり尖ってます。なんて言えばいいんですかね『ドミニオン』『アグリコラ』『7Wonders』『十二季節の魔法使い』『スマッシュアップ』『レース・フォー・ザ・ギャラクシー』『イノベーション』『妖精奇譚』『ヴォーパルス』あたりのドラフト系だったり、デッキ系だったり、特殊効果系カードゲームだったりするゲーム群の、最新進化系と言った感じです。
 最初に遊んだ瞬間に「面白い! また遊びたい! 何度でも遊びたい!」と思わず、立ち上がって叫んでしまったくらいで、これは、そうとう跳ねてますよ。東京では、作者のてらしまさんが大会を開いたりして、積極的に仕掛けていますが、名古屋では、遊んでいるひとが限られていて、ちょっと残念。ミスボドでも、もっと遊ばれて欲しいですね。

ラストセブンデイズ


 1人用のボードゲームと言えば、やっぱり『オニリム』が最高峰ですかね。
『フライデー』や『シェフィ』も良く出来ているなと感じはするのですが、何度も遊びたくなる病み付きさで言えば『オニリム』である……と、思っていました!
 バーン!
『ラストセブンデイズ』!!
 これは、良いですよ。『この世の果てで恋を唄う少女YU-NO』『CROSS†CHANNEL』『歌月十夜』『あの、素晴らしい をもう一度』と言った、エロゲーにおける、いわゆるループ物と呼ばれる要素を、見事なまでにボードゲームに落とし込んだ、その道のファン、と言うか秋山を狙い撃ちにした作品です。他にも、フレーバー的に、世界の終わりだとか、孤島だとか、巫女さんだとか『果てしなく青い、この空の下で…。』を思い起こす雰囲気もあったりして、もう、あれですよ、あれ、秋山の口からは、この作品を褒める言葉しか出てきませんよ、傑作です、傑作。
 ゲームとしてはどうなのか? と問われると、ちょっと苦しいところがあるのですが、慣れてくると、案外、すいすい行けるようになり、最初は即死しまくるけれど、だんだん進めるようになってくる、というところも含めてループ物っぽくて、いや、もう、良いんですよ。ループ物が好きなひとで、ボードゲームも遊ぶよ! って方は、是非、是非!

ごいた


 4人で遊ぶ石川県の伝統ゲームです。
「ここに来て、何故、ごいたが……」と目を疑っている諸兄も、いらっしゃるかと存じますが、実は、ここ最近になって、始めて『ごいた』を遊んでみたのです。そして、この運の要素が高すぎるゲームに、ふしぎな中毒性を覚えて、病みつきになってしまったのです……!
 4人限定というのが、ちょっと敷居の高いところなのですが、少し頭が疲れていても、ぜんぜん遊べますし、むしろ軽くお酒を入れていた方が、かえって楽しめるんじゃないかってくらい面白くて、自分の中では『麻雀』『ラミィキューブ』『ごいた』が夜の三強みたいな感じになっています。正月とか、そういうタイミングで遊びたいですね。
 ちなみに写真は『プリセンスワンダー』のカードを使って遊んだときのものです。

九百億の魔物の書

 最後はボードゲーム……の、範疇に入るかは、極めて謎ですが、非同期型ゲーム『九百億の魔物の書』です。
 様々な効果の書かれた本の内、任意のページに、自分の名前を書いた栞を挟んでおいて、最後に得点計算するというゲームなのですが、これは、アイデア勝利ですね。やることは、ページをぱらぱらめくって、栞を挟むだけなので、ちょう手軽にゲームに関われると言うのが良いです。
 多分、数あるゲーム会の中でも、このゲームを、いちばん遊んでいるのはミスボドではないでしょうか? だいぶ本がボロボロになってきたので、そろそろ2冊目が欲しい……と言うか、拡張とか出ませんかねえ。
 ちなみに写真はありません。さすがに本の写真は撮ってませんでした。

終わりに

 と言うわけで、激しく今さらではありますが「好きなボードゲームを10作挙げてみてよと言われたら」という名目の元、2013年に遊んだゲームの中で、特に面白かったものを10作ピックアップしてみました。
 今年も面白いゲームに出会えますように。