雲上四季

本と涙と謎解きと、愛しさと切なさとボードゲームと

第2回『幻視コレクション』ランチミーティングのときのこと

「面白い物語を集めました」をキャッチフレーズとする短編アンソロジィ『幻視コレクション』。
 現在、その第2弾の編集を進めています。


 2014年11月の文学フリマにて頒布した第1弾『幻視コレクション 失われた一葉の架空』は、おかげさまでその日の内に約40部ほどを頒布し、その後の手売り、通販、電子書籍版を含めると、現在までに70部ほどが、皆さんの手に渡った状況です
 たいへん嬉しいことに、感想も数多くいただいており、手応えを感じています。
 目標は文学フリマの看板となるような本を作ることです。同人誌即売会は、言うなれば原石の埋まった山。サークルを渡り歩き、自分の趣味嗜好に合致する、個性的な一冊を探すのは、とても楽しいです。でも「なにか面白い本ない?」と聞かれたときに「あれは面白いよ」と、誰にでも勧められる一冊があっても良いと思います
 そういう本を作りたいと考えています


 前置きは、これくらいにしましょう。
 今日はランチミーティングの話をします。

ランチミーティングとは

 第1弾のときも実施しましたが、参加者同士が顔を合わせ、食事を楽しみながら意見を交換したり、書き途中の作品について語り合う場を設けています。
 今回は5名参加の予定でしたが、直前でキャンセルが相次ぎ、結果として、鳴原あきらさん、水池亘さん、秋山の3名での開催となりました。

新宿紀伊國屋本店


 2014年3月9日(日)13時、待ち合わせ場所は、新宿紀伊國屋本店。
 名古屋に引っ越して以来、1年以上、訪ねていなかったので、久々に行きたいなと思い、待ち合わせ場所は、こちらにしました。1階を、さっと見て回った後に、ぞろぞろと2階へ。
 東京国際文芸フェスティバル2014の一環として「世界に届けたい日本文学」というフェアが開催されていました。市川真人氏と書店員さんのセレクションが棚を埋め尽くしているのを見ながら、鳴原さんと村上春樹の話をしたり、水池さんと『GRANTA JAPAN with 早稲田文学 01』の話をしたりしました。秋山は『HHhH プラハ、1942年』の話を少しして『バン、バン! はい死んだ』を買おうか迷いましたが、名古屋に帰る際に、荷物になるなと思い諦めました(帰りの新幹線では『いにしえの光』を読む予定でしたし)。
 各々、気になる本を眺めたり、会話している内に時間が過ぎたので、予約していたイタリアンへと移動しました。

イル・バーカロ


 ランチミーティングは、新宿三丁目にあるイル・バーカロにしました。
 2000円以内で、落ち着いて食べられるお店ということで選んだのですが、想像を凌駕するカジュアルさで驚きました。コストパフォーマンスに魅力があるからでしょう、二時を過ぎても客足が衰えませんでしたし、駆け回る店員さんは、ずっと慌ただしかったです。
 普段であれば、そういった点が気になっていたかもしれませんが、ゆっくり食べながら、会話を楽しむというのが今日の主旨だったので悪くなかったですね

ミーティングについて

 鳴原さんからはシーン1の原稿、水池さんからは最後まで書き終えた初稿をいただいていました。また、他の参加者からも、それぞれ冒頭部分やプロットを書いたものを、いただいており、最初は全体の進捗状況や編集理念についてお話しました。
 その後、お二人から書こうしているもののコアとなるアイデアや、方針についてお伺いしました。水池さんとは、事前にメールを何十回と往復させており、だいぶ意思疎通を図っていましたが、鳴原さんからは、この日、初めてタイトルの真意や、キャラクタの秘密を教えていただいて「なるほど」と思った次第です。
 いくつかエピソードを紹介すると、水池さんは、文体について思うところがある様子で、全体の形について、少し悩みを抱えられている様子でした。秋山は事前にメールで「一部、説明的になりすぎている地の文があるので、自分だったらキャラクタを増やし、そのキャラに説明するという形を取ります」と伝えていました。鳴原さんは「音読してみて、突っかかるところがあれば、それは良くない文章」というようなことを仰られていて、なるほどと思った次第です。
 一方、鳴原さんは年齢差を気にされていたようにお見受けしました。ですが、いただいた書き出しは安定感があり、次から次へと、小さな謎が繰り出されては、すぐに答えが与えられるので、ぐいぐい読めてしまう牽引力があり、シンプルに巧さを感じました。水池さんも同様の印象を覚えた様子で、世代の壁を越えた力があるのは間違いないなと確信しました。
 だいたい2時間ほどでしょうか、お店がディナーに向けて準備を始めたので、最後にスケジュールをご説明して、終了としました。

模索舎


 お店を出たら、鳴原さんが模索舎さんに行こうとされたので、是非とお願いして道案内していただきました。
 ミニコミ誌を扱う小さな書店、模索舎さんが新宿にあるのは存じ上げていましたが、実際に場所を調べて訪ねたことはありませんでした。聞いてみると現在地から近く、しかも東京勤務時代は、月に一回程度は近くを通り掛かっていました。
 佇まい音羽館に近しいでしょうか。もう少しアングラ感がありますが、タコシェほどエログロ感はないイメージです。伊藤鳥子さんが発行している『絶対移動中』も置いてありました。
 置いてあった商品の中では、ボードゲーム勢として『げんぱつかるた』が気になったのと、後は昆虫を笑顔で食べる美少女の本が目を引きました。後者はタイトルを失念してしまったのですが、もう直視に耐えない、生理的嫌悪感を十二分に喚起してくれる昆虫群を、素敵な美少女が嬉々として噛じっていたり、頬張っている写真集で、とても良い本でした。

終わりに

 模索舎さんを堪能した後、新宿駅まで、のんびり歩き、駅で解散としました。
 記憶では4時半に解散したので、ざっと3時間半ほど一緒にいましたでしょうか。楽しい時間を過ごすことができました。ここでの会話が、それぞれに良い刺激となると良いなと思います。秋山も、より一層、良い本を作ろうという気持ちを新たにしました
 鳴原さんもレポートを書いてくださったので、よろしかったら、どうぞ

第1弾『幻視コレクション 失われた一葉の架空』について

 Amazon架空ストアさんで通販しています。文庫サイズで、縦書です。

幻視コレクション 失われた一葉の架空

幻視コレクション 失われた一葉の架空

 電子書籍版もあります。横書きです。
幻視コレクション 失われた一葉の架空 (回廊文庫)

幻視コレクション 失われた一葉の架空 (回廊文庫)

 よろしくお願いします。