雲上四季

本と涙と謎解きと、愛しさと切なさとボードゲームと

『幻視コレクション』ディナーミーティングのときのこと

 さすがに3回目にもなると「恒例の」感が出てきますね。
 9月14日に大阪で開催される第二回文学フリマ大阪にて頒布予定の『幻視コレクション 第3弾』の打ち合わせのため、大阪まで行ってきました。今のところ、京都、東京、新宿、大阪という感じで、幻コレミーティングのために、けっこう動き回っています。
 また、せっかく大阪まで行くのだから、ちょっと色々と回ってみようと観光気分でもありました。機会があったら、楽しまないと! ですしね。

新幹線


 名古屋から大阪まで、新幹線で移動しました。
 在来線や高速バスも検討したのですが、最近、腰を悪くしたことがあり、あんまり長い時間、狭いシートに座っていたくなかったので新幹線にしました。
 駅弁は松阪牛にしました。

キウイゲームズ


 新大阪に到着した後、ミーティングの開始時間まで間があったので、梅田を通りすぎて恵美須町まで足を伸ばしボードゲームショップのキウイゲームズさんを訪ねました。
 キウイゲームズさんは、プレイスペースが充実していると評判で、前々からお伺いしたいと思っていたお店です。店内は、体感では5分の1がショップスペースで、5分の4がプレイスペースでしょうか。きれいに片付いていて、女性の店員さんが何人もいらっしゃって、そして、プレイスペースは素晴らしかったです。圧倒的に広く、解放感があり、貸し出しゲームの種類と数が豊富で、チップや皿などの道具の貸し出しも行っており、ドリンクバーも充実しており、完璧でした。居心地の良さを証明するように、小さいお子さん連れのお母さんも見えられていて、明るい雰囲気でした。
 また、店内には、偶然にもミスボド名古屋に大阪からお越しになられた、どーけしさんがいらっしゃっていて半年ぶりにお会いしたり、訪問帳……と言うのかしら? 自由に書けるノートにメッセージを残そうと思ったら、ちょうど2日前に草場純さんが訪ねられていたり、奇遇でした。

マンカラ


 同じタイミングで、別件で大阪を訪ねていた、ねくろんさんと少しだけプレイスペースを使って遊びました。
 まずは、マンカラ。アフリカや中近東、東南アジアで古くから遊ばれているアブストラクトです。ネットではCPU相手に、何度か遊びましたが、対人戦は初めてです。
 秋山が知っていたルールは「イージー」と呼ばれるそれでしたが、他に「ベーシック」「カラハ」「スンカ」がありました。「ベーシック」は駒の動かし方を覚えるようなイメージの別ゲームで、「イージー」が他の様々なルールの根幹になっている基本的なものでした。「カラハ」は、たったひとつルールが加わるだけで、劇的にゲームの質が変わっていて驚きました。「スンカ」は「カラハ」にさらにルールを足した感じですが、さすがに、ごちゃごちゃしていたかな……「スンカ」は面白かったので、もう何度かプレイしたいですね。

ディメンション


 次は何を遊びましょうかとねくろんさんと話をしていたら、店長さんに「最近、人気ですよ」と勧められました。確かに、何度か遊ばれているところは見たことがあります。
 その場で、ねくろんさんとルールを読みながらプレイしましたが、いわゆる『ウボンゴ3D』や『ジャストインタイム』に近いイメージかしら。一定時間、個々にパズルに挑戦して、その完成度を競い合う感じです。2人でも楽しめますが、多人数の方が盛り上がりそうですね。

北あぼぼん寺


 前段が長くなりましたが、ようやく本題です。
 ねくろんさんと別れ、キウイゲームズさんを辞して、梅田へ。目指すは迷路のように入り組んだ店内と、お寺を模した内装が評判の、個室居酒屋、北あぼぼん寺です。
 今回の幻視コレクションは、初出が文学フリマ大阪ということもあり、関西方面の方に声を掛けたいなあと思っていて、だいたい半分が関西、半分が関東という感じです。関西勢としてご登場いただくのは、京都の業平心さんと、和歌山の深瀬駿さんです。業平さんは『絶対移動中』にも参加されている方で、何度かお会いしたことがありましたが、深瀬さんとは初対面だったので、ドキドキです。

ディナーミーティング


 お二人とも遅れることなく時間通りにお越しいただき、和やかに乾杯からスタートしました。
 幻コレのミーティングでは、多くの場合、個々の参加者は秋山とは知り合いでも、お互いにはそうではないので、最初は、ほぼ雑談に尽きます。業平さんが幻コレ史上最年長で、深瀬さんが幻コレ史上最年少であるにも関わらず、共通点があったりして面白かったですね。
 前半は鱧などの旬の料理や高野豆腐の唐揚げといった他では見ない料理に舌鼓を打ち、秋山は大いに飲みました……。
 後半は、お二人の作品について少しお話をしました。業平さんの『ROC』は、最近の、いわゆる伊藤計劃以降と称されることの多い文脈で語ることのできるSFだなと考えていたのですが、ご本人は宮内悠介『盤上の夜』未読ということで、少し驚きました。将棋をテーマとしており、いくつか共通点が見受けられたので、てっきり参考にしているものかと思っていたのですが、これも、ひとつのシンパシーですね。幻コレという意味では、幻コレ緑に掲載させていただいた渡邊利道さんの「シャーロットに薔薇を」に続く、正統派SFと言えます。
 深瀬駿さんの『事務室の女王』は、まだ半分しか書き上げられていませんが、今のところ文句のない一作です。描写がキレッキレで、読んでいてすごい勢いで刺さってくるんですよね。世界観も、けっこうドギツイところがあって、好きなひとはすごい好きになってくれる作品です。テーマが仁司方さんの『解放区』に、かなり近しいのも面白いですね。『幻視コレクション』では、毎回、示し合わせてわけでもないのに、テーマやガジェットが被ることがありますが、今回もシンクロしています。

珈琲舎・書肆/Luft アラビク


 あぼぼん寺での時間が、あっという間に過ぎて「さて、どうしましょうか」と考えたときに、大阪に詳しい深瀬さんから「アラビクに行きましょう」と提案をいただきました。アラビクは、心斎橋にある文学バー「リズール」と並ぶ大阪における文学スポットで、幻視者として訪問しないわけにはいかない! と言うことで、意気揚々と移動しました。前回のミーティングでも、鳴原さんに模索舎さんを教えていただきましたが、こういう出会いはとても素敵ですね。
 アラビクさんはちょっと不思議なお店が隠れている住宅街の真ん中に隠れていて、外観からして秘めやかな文学の気配が漂います。
 奥のソファ席に通していただき、業平さんはコーヒー、深瀬さんはサングリア、秋山は恋ビールをいただきます。それぞれに飲み物を楽しんだり、会話したり、ギャラリーでもある店内を見たり、書店でもある店内の品揃えを見たりしました。
 大阪で宿泊予定の秋山と異なり、業平さんも深瀬さんも、それぞれ京都と和歌山に帰られるということで、夜も更けてきたところで解散
 ちなみに後にTwitterで、アラビクの店長、森内さんにお教えいただいたのですが、10年ほど前に会っていたようです。キウイゲームズで会ったどーけしさんと言い、縁を感じますね。

麺や 六三六


 業平さんと深瀬さんを駅の改札まで見送ってから、夜食を求めて夜の梅田へ。
 決めたのは食べログでも評価の高かった六三六です。極めて濃厚な魚介ダシに、歯ごたえを感じるほどの太麺。魚介系つけ麺という定番の、ど真ん中を撃ち抜くものですが、差別化のポイントは添えられているスダチ。
 途中で味を変えてみようと、半分ほど食べ終えたところで、脇によけておいたスダチを絞っていたのですが、驚くほど味が変わります。スッキリと通る爽やかさが生まれ「最初の一口は美味しいんだけど、食べていると飽きるよね」という惰性が払拭され「なんだこれ! まだまだ行けるぞ!」と嬉しくなります。良い夜食でした。

カプセルイン大阪


 宿泊先はカプセルホテルとしました。
 カプセルホテルに泊まったことがないことと、調べてみると大阪がカプセルホテル発祥の地であることから、この機会を逃すわけにはいかない! と世界初のカプセルホテルである、カプセルイン大阪に決めました。
 イメージとしては知らないひとと一緒に合宿に来た感じでしょうか。やや狭いロッカースペースで着替えて、広々とした銭湯を楽しみ、テレビのあるソファスペースで軽く飲みながらくつろいで、眠くなったひとから眠っていく。
 不便だと感じたのは、カプセル内に飲み物を持ち込めないことですね。ペットボトルで水を買っておいたのですが、夜中に喉が乾いて目が覚めてもロッカーまで行く必要があって、やや煩雑です。でも、途中でソファスペースを通過したときに、眠れないのか何人かテレビを見たり、ケータイをいじっていたりして、また懐かしさを感じましたね。
 なんか合宿の時って、昼間に大騒ぎしたり、飲みまくったりしたメンバーから寝落ちしていって、寝るタイミングを逃したひとや寝付けないひとがラウンジに残されたりするじゃないですか。あの感じが好きです。
 カプセルの防音性は悪くなかったですね。かすかにテレビの音やイビキが聞こえてきましたが、自宅のマンションと同じくらいの音量でした。
 総じて悪くないなという印象ですが、飲み物を持ち込めないのと、トイレが混みあうのと、ロッカースペースが狭いのが、難点ですかね。自分のスケジュールで動けないときに、むぐぐと感じてしまう性格なので、やっぱり個室の方が安定しますね。飛行機のファーストクラスをイメージしたファーストキャビンさんは、試してみたいなと思います。

喫茶Y


 ブランチを予定していた喫茶Yは、まさかの日曜休店でした……。

サンシャイン


 喫茶欲を満たすために、創業40年の老舗喫茶サンシャインへ。
 自家焙煎のコーヒーは中々に香ばしく、美味しかったです。

ベシャメルカフェ


 もうひとつ、梅田で食べログ評価の高いカフェに寄りました。
 明るく広々とした店内、充実した電源、美味しいドリア、そして客層の九割が女性でした。なんとなく戦うMacユーザ応援! みたいな雰囲気を感じましたね。

新幹線


 そして、帰路。
 ほんとうは東海道新幹線50周年記念弁当の京都・新大阪編を買おうと思っていたのですが、器が自宅の小物入れに流用できそうだと思ってたこ飯にしてしまいました。重量感があって、悪くないです。

終わりに

 幻コレのミーティングのはずが、明らかにそれ以外の方に文量を割いている気がしますが、たまには、こういうのも良いでしょう。
 次に大阪に行くのは9月14日、文フリ大阪のタイミングですね。