雲上四季〜謎ときどきボドゲ〜

本と涙と謎解きと、愛しさと切なさとボードゲームと

第3回「ゆいボド」レポート


 会場を西高島平へと移した、ゆいボドさんに参加しました。
 駅から近いのと、会場の近くにコンビニがあるのは良いですが、駅前の閑散としている感じはすごいですね。駅前のコンビニが閉まっているのは驚きました……。
 この日は『アルルの丘』が遊びたくて、昼過ぎに参加したのですが、アグリコラ率の高さに驚きました。主催の由衣さんに聞いたところ、参加者総勢が20名強にも関わらずアグリコラが3セットも持ち込まれており、その他にカヴェルナ、グラスロード、アルルの丘と……都内でも有数の農業家が集っているものと察せられます。
 背景としては、やはり主催の由衣さんがアグリコラ大好きで、普段、由衣さんと一緒に遊ぶことの多いメンバーが集まっていることが指摘できるでしょう。とは言え、プロの農業家がガツガツと遊び極めているだけではなく、ライトな層による「はじめてカルカソンヌを遊びました」みたいな卓もあるので、居心地は、とても良いです。

光より遅く


 会場に到着した段階で、すべての卓が埋まっていたので、しばらく待っていたら『パッチワーク』を遊んでいた、さたもとさんとちづるさんが空いたので、3人で『光より遅く』を遊びませんかと提案。
『光より遅く』に関しては、少し前にエントリに書きましたし、Twitterでは何度も何度もpostしていますが、ゲーム会のレポートとして雲上四季に登場するのは初めてになるので、少し言葉を重ねようと思います。
『光より遅く』はMarc Majcherによるロールプレイポエムのひとつで、『Twenty Four Game Poems』に収録されています。djangoさんが、ネット上で和訳を公開しており、それを見て、後は紙とペンを用意すれば、誰でも遊ぶことができます。
 ゲームではなくポエムなので、勝利条件や目的などはなく、基本的にはプレイヤ同士の友好を深めるためのツールに近いかもしれません。ですが、そこはゲーマーが遊ぶわけで、自然とゲーム的な要素を加えたがり、勝手に物語や壮大な世界が形成されることがあります。
 この日は「ある島国から船に乗って離れ離れになった3人」というバックストーリーで遊んだのですが、遭難したり、革命が起きたり、海竜を倒したり、大変でした。

アルルの丘



(インスト:30分、プレイ時間:1時間40分)
 由衣さんに頼んで、ウヴェ・ローゼンベルグによる2人用のゲーム『アルルの丘』を遊ばせてもらいました。
アグリコラ』『ル・アーブル』『洛陽の門にて』の収穫三部作は、いずれも人気の高いゲームですが、この3作は似ているようで、越えがたい壁があります。一般には『アグリコラ』と『ル・アーブル』が似ていて『洛陽の門にて』はワーカープレイスメントではないという点において、区別されることが多いですが、秋山の感性では、ランダム要素があるという点において『アグリコラ』と『洛陽の門にて』が似ていて、『ル・アーブル』は他2作と一線を画しています。
 収穫三部作の後に発表された『祈り、働け』は『ル・アーブル』の正統進化と言え、2人用ゲームの『アグリコラ:牧場の動物たち』(通称:フタリコラ)も名前こそ『アグリコラ』のリメイクのように見えますが、ランダム性がないことから『ル・アーブル』や『祈り、働け』の系譜にあるように考えています。
 ランダム性がないということは、つまりアブストラクト性が高いということで、それは最適解が導き出されたら、ゲームとして終わることを意味します。つまり、先手番なり後手番なりが、ある決められた手順に則ってプレイすれば、絶対に勝つという法則が存在しうることです。多くのゲームでは、この命題から逃れるために、カード運やタイル運などのランダム要素を入れることによって回避し、リプレイ性を高めています。
 とは言え、ランダム性を高めることは、それだけゲームの展開がデザイナの予想を離れたところへ行きかねない危険性も秘めています。逆説的に、ランダム性の低いゲームとは、デザイナ=神との戦いとも言えます。少し余談になりますが、この手のゲームにおいて、秋山は、あんまり勝敗を気にすることはありません。むしろ、限られた手数の中で、どこまで得点を高めることが出来るか、そちらの方に視線が向いています。
 話を戻します。
「フタリコラ」は後に拡張が発売となり、リプレイ性を高めるためにランダム性が追加されました。2人用ゲームの『ル・アーブル内陸港』は触れる機会に恵まれていないので分かりませんが、『アルルの丘』は、ウヴェ・ローゼンベルグの2人用ゲームの集大成と聞いて「これはプレイせねば」と思っていたのです(ちなみに『カヴェルナ』も『ル・アーブル』『祈り、働け』の系譜に列なるので、これの2人プレイも興味深いです)。
 それで、由衣さんにお願いして、『アルルの丘』が気兼ねなくプレイできる、ゆいボドさんまで足を伸ばした次第です。
 結論から言って、かなり面白かったように思います。
 初プレイの手探り感もあって、立ち回りは辛かったです。やりたいことがいっぱいあって、やれることもけっこう多いのですが、やれる回数が圧倒的に少ないので、どこまで手数を圧縮するかが勝負になるのでしょうか。
 プレイ中は「あ、これが大事なんだ」と分かった瞬間に、由衣さんが一手前に、そのアクションをやっていたりして歯がゆい想いをしました。
 まあ、それくらいでしょうか。
 もう何回か、由衣さんにお相手お願いすれば、見えてくるものがあるかもしれません。あるいは自宅でコンポーネントをいじくりながら、あれこれ検討してみたいですね。
(由衣さん113点、秋山92.5点)

終わりに

 短い時間でしたが『光より遅く』をプレイできましたし、念願の『アルルの丘』も遊べましたし、充実した時間を過ごすことが出来ました。
 また丘を越えに、ゆいボドに来ようと決意を固めながら会場を後にしたのでした。