コスモスがリリースしている、ブラント夫妻による『脱出:ザ・ゲーム』が、ドイツ年間ゲーム大賞2017のエキスパート大賞を受賞とのこと。素晴らしい。
近くグループSNEから日本語版もリリースされる予定なので、楽しみですね。
本記事では『脱出:ザ・ゲーム』の背景と楽しむにあたっての注意を書いています。
リアル脱出ゲーム古今東西
マウスを操作して、室内を探索して、密室から脱出するデジタルゲームがあります、いわゆる脱出ゲーム。
これを、実際にやってみましょうと言うことで、SCRAPが2007年に開催したのが、リアル脱出ゲーム。
現在、日本国内にはSCRAP以外にも、様々な謎制作団体がおり、日夜、リアル謎解きゲームを開催していますが、海外にも団体は多くあり、最大手のエスケープハント社は、先々月にロンドン証券取引所に上場したくらいです。
ESCAPE HUNT PLC (本社:Castlefield House, Liverpool Road, Manchester, M3 4SB, United Kingdom、CEO:Richard Harpham)は、2017年5月4日、ロンドン証券取引所AIM市場へ上場いたしましたので、ここにお知らせいたします。
http://tokyo.escapehunt.com/ja/escape-hunt-plc-%E3%81%AF%E3%80%81-2017%E5%B9%B45%E6%9C%884%E6%97%A5%E3%80%81-%E3%83%AD%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%B3%E8%A8%BC%E5%88%B8%E5%8F%96%E5%BC%95%E6%89%80aim%E5%B8%82%E5%A0%B4%E3%81%B8%E4%B8%8A/
近年注目が高まる体験型脱出ゲーム運営企業としては世界初の上場となり、レジャーアクティビティ市場の一般消費者および法人需要の高まりをご評価頂きました。
謎のアナログゲーム化
リアル謎解きゲームは、リアル型イベントであるが故に実際に体験できる楽しみがありますが、イベント会場に行かなければならないという制約もあります。
と言うわけで、日本では謎をゲームブックの形にしたり、謎を集めた本が販売されたり、ボードゲームの形にされたりしています。
リアル脱出ゲームブックvol.1 ルネと不思議な箱: その町で少女は過去の夢を見る
- 作者: SCRAP
- 出版社/メーカー: SCRAP出版
- 発売日: 2016/10/19
- メディア: 単行本
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東大ナゾトレ AnotherVisionからの挑戦状 第1巻
- 作者: 東京大学謎解き制作集団AnotherVision
- 出版社/メーカー: 扶桑社
- 発売日: 2017/05/31
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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謎解きゲームとボードゲームは違うということ
秋山はボードゲームが好きで、自分でもよく買いますし、遊びます。謎解きも好きで、日本市場で売られているものも買いますし、エッセンに行ったときもドイツ語のゲームや英語のゲームを買いました。
今回、『脱出:ザ・ゲーム』がエキスパート大賞を受賞したことについて、素直に嬉しく思うと同時に、これは少し警鐘を鳴らしておかないと一部のひとが不幸になるのではと思い、急ぎこの記事を書いている次第です。
具体的には、謎解きゲームとボードゲームは違うよということについてです。
【アラートその1】コストパフォーマンスの考え方が異なる
ボードゲームの場合、基本的に一度、購入すると何度でも遊ぶことができます。遊びすぎてカードが擦り切れたりするまで、何度でも遊べます。
ですので、高いゲームを買っても、何度も何度も繰り返す遊ぶことで、元を取る、という考え方ができます。
一方、謎解きゲームは、基本的に1回限りの体験となります。従って、謎を解いた瞬間に脳内に訪れる人生で一度だけの衝撃。その快感に対して対価を払うのだと考えた方が、気持ちの整理ができることでしょう。
【アラートその2】コンポーネント破壊がありうる
『脱出:ザ・ゲーム』に限らず、謎解きゲームの中には、コンポーネントの破壊を要求してくる作品があります。それは、たとえば紙にハサミを入れたり、カードを折り曲げたり、用紙に書き込んだり、その他、諸々です。
コンポーネント破壊は、一部のボードゲーマーには、とても心苦しい行為かと察せられます。秋山も最初は抵抗がありました。出来れば自分が買ったゲームは丁寧に扱いたいし、自分が遊び終えた後は、他の誰かに遊んでもらいたい。でも、コンポーネントを破壊しなければ、自分自身が充分に楽しめない。
ものすごい辛いです。
でも、最近は諦めました。
コンポーネント破壊を要求してくる謎解きゲームの制作者は、コンポーネントを破壊しなければ解けないほど上質な謎を提供してくれているのだ。この謎には、それだけの価値があるのだ。そう考えるようにしています。
【アラートその3】遊ぶ場面に対して慎重になること
想像してみてください。
Aさんが謎解きゲームを買いました、BさんとCさんの3人で遊ぶことにしました。BさんとCさんは謎が解けるひとです。次から次へと出てくる謎を、BさんとCさんは凄まじいスピードで解き、問題用紙にペンで記入し、カードを折り曲げていきます。Aさんは、それをポカンと見ています。
こういう場面は、なるべく発生しない方が良いでしょう。
前述の通り、謎解きゲームは経験的に1回しか遊べません。物によってはコンポーネントを破壊してしまいます。
秋山のオススメは、なるべく気心の知れた、少人数のメンバーと遊ぶことです。推奨2人、最大4人です。
『脱出:ザ・ゲーム』の感想
最後に『脱出:ザ・ゲーム』の感想について。
3作品とも遊んでいますが、山奥の打ち捨てられた小屋から脱出する『荒れはてた小屋』は特に面白いのでオススメです。ミスボドで何度か立てましたが、けっこう好評でした。
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1回しか遊べないことは、その1回がとても面白いと言うことと同義でもあります。
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