雲上ブログ〜謎ときどきボドゲ〜

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呉の少女が見る第二次世界大戦『この世界の片隅に』傑作過ぎて胸が痛い

 涙もろいことに定評のある秋山です、こんにちは。
 こうの史代原作の映画『この世界の片隅に』を観ました。

この世界の片隅に

この世界の片隅に

 いやあ、辛いです。
 心の底から辛いです。
 でも、辛すぎなくて良かったです。


 ほら『火垂るの墓』って、畳み掛けてくるじゃないですか。
 一切の容赦なく、次から次へと悪いことが、休む暇なくやってくるじゃないですか。


『この世界の片隅に』は、辛いこともあれば嬉しいこともあり、苦しいときもあれば解放されているときもあり。
 ただ、幸せな時間が続けば続くほど、この後に訪れる不幸を予期して、思わず肩に力が入ってしまうのでありました。


 ギャグパート、と言うか笑顔のシーンには、何度も救われました。
 戦時下で、皆が皆、ほんとうに辛いから、辛いからこそ笑って気を紛らわせようとする心理が働くのでしょうか。ときに唐突でもありましたが、挿入されるギャグパートがなければ、とっくの昔に心が折れて、


「無理! もう、無理だから!!」


 と最後まで観るのを断念していただろうなと思います。
 いや、ほんとうに救われました。
 そして、最後まで観て良かったです。


 傑作でした。


 約2時間。
 息を殺すようにして観ましたが、どうやら興行収入10億円を達成したことで、当初の絵コンテに従った160分の長尺版を作成しているみたいですね。素晴らしい作品だったので観たい気持ちはありますが、同時に、どのあたりのシーンが加わるのか恐れもあります。
 単刀直入に言って、戦前ならOKです。戦後もOKです。でも、戦中は辛いです。もう勘弁していただきたい所存です。でも、どのパートが増えていても、きっと観るんだろうなあ。何度、観ても絶対に泣く自信があるので、劇場には行けません。レンタルが始まるのをそっと待つことにします。