雲上四季

本と涙と謎解きと、愛しさと切なさとボードゲームと

荒廃した世界を救う『パンデミック:レガシー シーズン2』をクリアしました

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 2017年末の冬休み、『パンデミック:レガシー シーズン2』をクリアしました。
 1年の最後を飾るのに相応しいタイトルで、ほんとうに充実した時間を過ごすことができました。
 この大傑作を軽く紹介しつつ感想を、可能な限り……可能な限り、ネタバレを避けて書きます。ほんとうのほんとうに事前情報皆無で遊びたい方は、この時点で回れ右推奨です。ただし、順番的にはレガシーシステムについて、パンデミック:レガシー全体についてから、それからシーズン2についてという順番で書くので、ほんのちょっとだけ知りたいという方は、途中まで読み進めるのもありかもしれません。

そもそもレガシーって?

『リスク』シリーズの1作としてリリースされた『リスクレガシー』。
 通常の『リスク』と同じく、指揮官となり、自軍を操作し、領土を奪い、世界征服を目指す戦略ゲームですが、従来の『リスク』と異なるのは、ボードの盤面にシールを貼り付けたり、使わないと選択したカードを破り捨てたりします。
 コンポーネントを傷つけることになるので、二度と遊ぶことはできなくなりますが、後戻りの効かないシステムは緊張感がありますし、ゲーム終了時に出来上がった盤面は感慨深いものがあります。
 尚、ここまで書いておいてなんですが、秋山は未プレイです。

レガシーシステムとは?

 上記『リスクレガシー』の影響を受け、そのコンポーネントを傷つけたり、一度しか遊べないといった要素をレガシーシステムと一般に呼びます。
『リスクレガシー』と同じように、ほんとうにコンポーネントを傷つけてしまうものもあれば、システム上、ネタバレの要素があって、記憶がある限り二度は遊べないものもあります。個人的には前者を狭義のレガシーシステムと、後者を広義のレガシーシステムと認識しています。

上記を踏まえたうえで『パンデミック:レガシー』全体について

 前段が長くなりましたが、ようやく『パンデミック:レガシー』について。
 一言で説明すると、狭義のレガシーシステムを採用した『パンデミック』です。
 通常の『パンデミック』において、プレイヤは新型ウィルスに対する対抗チームの一員となり、世界中を飛び回り、様々な病原体が感染拡大し、世界が滅びてしまう前に、ワクチンを発見するのが基本的な目的となりますが、『パンデミック:レガシー』においては、このワンゲームを1ヶ月と数え、1年を通して、つまり最低12回、プレイすることになります。
 ある条件を満たしたり、あるいは新たな月を迎えたときに指示されたカードをめくったり、封印されていた箱を開封することで、新たな要素が追加されたり、『リスクレガシー』と同様に、シールを貼ったり、カードを破り捨てたりします。
 ゲームに敗北した場合、プレイヤは同じ月を繰り返すことができます。たとえば、1月のゲームに失敗した場合、もう一度、1月を繰り返すことができます。ただし、繰り返しは1回までで、2回連続して1月のゲームに失敗した場合は、1月は失敗したという前提で2月を迎えることになります。従って、最短で進めば12回のゲームで1年が終わりますが、失敗しまくれば24回のゲームで1年が終わることになります。
 ワンゲームに要するプレイ時間は、45分~1時間半ほどですので、まあ、けっこうな時間が必要なゲームであることは想像に難くないでしょう。


 そんな『パンデミック:レガシー』ですが、今のところ『シーズン1』と『シーズン2』の2種類が出ています。また、それぞれ箱のパッケージが異なる、通称『赤箱』と『青箱』、『黒箱』と『黄箱』が発売されています。
 同じシーズンであれば、中身的には完全に同一で、どちらの色の箱を選ぶかは好み、あるいは価格で選んでしまって良いでしょう。ちなみに秋山は『シーズン1』は赤、『シーズン2』は黄色を選びましたが、単に、その時点でその色の方が、もう片方より安かったからだけです。

そろそろ雰囲気ネタバレ

 と言うわけで、ここまで概要と言うか、輪郭の説明に留めましたが、そろそろ雰囲気のネタバレに抵触するかもしれませんので、ご注意ください。

要したプレイ時間

 プレイ済みの方も、未プレイの方も気になるであろうプレイ時間から。
 秋山は計3日間掛けて、2人プレイで1年を駆け抜けましたが、全体のプレイ時間は18時間半でした。敗北回数は秘密にしておきます。
『パンデミック』に限らず、どんなボードゲームにも言えるかもしれませんが、多くの要素を持つゲームは、セットアップに時間を要します。ボードを出したり、カードを並べたり、シャッフルしたり……。
 今回、短期間にぶっ通しで遊んだのは、


・一度、遊び始めると続きが気になって日常生活が疎かになりそうだから


 と言うのもありますが、個人的には、


・セットアップに時間を取られたくないから


 と言うのもありました。
 秋山は、自宅にポーカーテーブルを持っているのですが、遊んでいた3日間は、このポーカーテーブル上にボードを広げ、食事をするときも、寝るときも出しっぱなしで生活しました。出し入れも大変なので、環境が許す方は、出しっぱなしがオススメです。

前作のプレイ経験について

『パンデミック:レガシー シーズン2』を遊ぶのに、『パンデミック:レガシー シーズン1』は遊んでおくべきか否か。
 これは、未プレイの方の多くは、気になるところだと思います。
 ルールブックには「前作を遊んでなくても大丈夫だYO!」と書いてありましたが……、


『シーズン2』は『シーズン1』は遊んでからの方が良い。


 が、秋山の結論です。
 必ずしも『シーズン1』を遊んだメンバーで『シーズン2』を遊ぶ必要はありませんが、『シーズン2』を遊ぶときは、『シーズン1』プレイ済みのメンバーで揃えた方が良いでしょう。

面白かったかどうか

 これは、言うまでもないでしょう。
 そもそも面白くなければ、何時間もぶっ通しで遊べません。
 最初から最後までプレイヤを驚かせ、興奮させるギミックや発想の数々、そして突き付けられた難しい条件に対し、知恵を絞りに絞って、圧倒的な絶望の中から、しかし一縷の望みを見出して、それを見事に掴んだときの感動。
 冒頭にも記しましたが、ほんとうに充実した時間を過ごすことができました。


「いやー、苦しい。果てしなく苦しい。もう駄目、完全に駄目。詰んだわ。でも、待てよ? これをこうしてこうすれば、1手番だけど浮くし、その浮いた手番でここまでやっておけば、次にこうしてこうしてこうすれば、ワンチャンあるのか? いや、ないのか?」


「今までの情報を組み合わせたら、今月、我々が絶対に成し遂げないといけないのは、これ。これさえできれば、負けていい。と言うか、これができないと負け。だから、何を犠牲にしても、どれだけ足掻いても、これさえ達成できれば勝ったも同然。だから、これを必死に考えよう」


「なるほど! こう来るか。まさか……まさかとは思ってはいたけれど、そういうことだったのか。確かに、これなら。いやあ、よく出来てる! 隅々まで考え抜かれている、これを考えたひとは頭がいいなあ!」


 だいたいこんな感じでした。
 求められるのは想像力でしょうか。
 今、世界はどういう状況下にあって、物語がどこまで進んでいて、次のステップに辿り着くのに自分たちが何をしなければならないのかを考え、それに対し適切な行動を取り続ける。
 これは推理ゲームに近しいかもしれません。
 もちろん、基本は『パンデミック』なのですから、基本的な攻略は感染カードの計算です。エピデミックの処理を終える前に、感染カードの捨て札を確認し、どの都市をケアする必要があるかを再確認するのは必須です。でも、それ以上に求められるのは大きな方針を、どう定め、どう遂行するかです。
 これを怠ることなくきちんと考え、きちんとチームとして実行し、見事に予想が的中したときの感動。
 筆舌に尽くしがたいですね。

終わりに

 果たして『パンデミック:レガシー シーズン3』は発売されるのでしょうか。
 パッケージデザイン的には赤箱、青箱、黄箱、黒箱を並べると、きれいに繋がるので、もうこれ以上は出ないような気がしますが、是非、パブリッシャのZ-Manには継続して出してほしいところです。
 後は、クリアしたひと同士で、それぞれの最終的な盤面を持ち寄ってネタバレトークを楽しみたいですね。


「あー、それ、やっちゃいましたかー」


 とか、


「えっ、そんなこと出来たんですか!? 豪運ですね!!」


 みたいなのを憚ることなく会話したいです。
 そういうのを企画中の方は、是非、お声掛けください。
 また、協力ゲーム大好き、レガシーゲーム大好きな秋山に、オススメのゲームがありましたら、そっとお教えください。飛びつきます。