雲上四季〜謎ときどきボドゲ〜

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伝説の樹の下で告白しよう『青春スパイラル』の感想


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 こっち屋さんのゲームマーケット2017秋の新作『青春スパイラル』の感想です。
「大きくなったらお嫁さんになってあげる」
 そう約束したものの、引っ越しで遠くに行ってしまった少女が、高校に転校生として戻ってきた! しかし、美しくなった彼女を狙っている男子は多い。他プレイヤを蹴落として、彼女のハートを射止めるのは誰か?
 みたいなストーリーかと思いきや、まさかの、


 主人公は多重人格者!


 斜め上の設定です。
 プレイヤは全員、少年の人格のひとつという設定で、ゲームを通して彼女との仲を深め、もっとも親密になれた人格に統合しようという一風変わったストーリーです。


『京都エクスプローラー』のときも思いましたが、こっち屋さんは、設定というかストーリーを作るのが、ほんとうに上手いですよね。スタートの時点で、すでに勝ってる感あります。


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 さて、ゲームとしてはゴーアウト系……と言うか、いわゆる大富豪(大貧民)。
 前手番プレイヤより強いカードだけ出すことができて、自分以外の全員がパスアウトしたら場が流れるというオーソドックスなものです。
 変わっているのは、パスしたときに手札の入れ替えができること。従って勝てる場面においても、敢えてパスして手札を調整することが多々あります。


 ゲームは3ラウンドから構成されていますが、ポイントは3ラウンド目で勝利したプレイヤが、ゲームに勝利するということ。
『5本のきゅうり』などと同じく、途中経過は一切関係なく、最後だけ勝てばよいわけです。
 これは面白いですね。
 最後のラウンドに向けて、全プレイヤ、第1ラウンドと第2ラウンドは虎視眈々と手札を整理していくわけですが、その過程で、どんどん場にあるカードが見えてくるわけで、ちょっと弱いカードであっても組み合わせがよければ、


「相手のデッキを考えると、この組み合わせの方が強いな」


 みたいなのが見えてくるのです。
 そういう観点では、ある意味、新しいデッキ構築物と言えるかもしれません。


 デザインは斬新ですが、ゲーム自体はシンプルです。
 短時間にさっくりと楽しみたい方にオススメです。

青春スパイラル

青春スパイラル