雲上四季

本と涙と謎解きと、愛しさと切なさとボードゲームと

人間になりきるアンドロイドになりきれ『アンドロイド工場からの脱出』の感想

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 2018年3月から始まった、SCRAPの池袋アジトと京都アジトで遊べるアジト型(ルーム型)の新作『アンドロイド工場からの脱出』の感想です。ネタバレには配慮していますが、気になる方は回れ右推奨です。

ストーリー

そう遠くない未来。
限りなく人間に近いロボットであるアンドロイドが完成した。
しかしアンドロイドたちは人の手を離れて
自らを量産する工場を作り、人類への反乱を企て始めた。


スパイであるあなたは、反乱を止めるためアンドロイド工場に忍び込み、
機密データを入手する任務を与えられる。


だが、アンドロイド工場に人間が忍び込んだことがバレたら処刑されてしまう。
任務を遂行するにはアンドロイドになりきり、
複雑で奇妙な「動作テスト」をこなして、監視の目をくぐらなくてはならない。


あなたは正体を隠し通し、この工場から脱出することができるだろうか?

http://realdgame.jp/event/android.html

脱出率(秋山が参加した頃)

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参加チーム:7組
成功チーム:3組(43%)

参加する直前

 3月1日から始まった公演ですが、秋山が参加したのは池袋アジトの3月3日10時回でした。
 3月1日の最初の公演に挑んだ10名は失敗したという発表をTwitterで見ていたので、


「初回公演に挑むのは、よっぽどの謎解き猛者! あの『2099年からの脱出』ですら、最初の5チームは全員成功していたのに、いきなり脱出率0%? グレートですよ、こいつはァ」


 と、何故か東方仗助の口調でビビる秋山でありました。

いざ会場へ

 現地へは開演時間の15分前に着きました。
 池袋アジトは『あるアンティークルームからの脱出』、『宇宙飛行士選抜試験』に続き3回目です。リラクゼーション系の施設が多く入っているビルなので、開場まで無言で待ちます。
 開演時間の10分前が開場時間のはずでしたが、50分になっても、55分になっても、扉が開く気配はしません。まあ、始まったばかりの公演ですから、準備に手間取っているのでしょう。
 実際に開場したのは、開演時間のほぼ直前でしょうか。受付を済ませ、待つこと数分、いよいよスタートです。

脱出を終えて

 55分ほどが経過して、脱出成功、でした。
 これは……、


 何なのでしょう?


 いわゆる、何を言ってもネタバレ系に類されるかもしれません。


 ちょっと、難しいんですけれど、オーソドックスなリアル脱出ゲームではありませんでした。
 公式サイトには、

衝撃の問題作"リアル脱出ゲーム×演劇"? 演出家・振付家/長谷川寧氏全面協力による新機軸リアル脱出ゲーム!

 とあり、長谷川寧氏のコメントが載っていますが、

出演者0人の参加型ダンス作品[DANCEHOLE]を制作の際に参考にしたのがリアル脱出ゲーム。それが今逆輸入される日が来た。これは脱出なのかどうか。奇妙な肌触りの作品となるだろう。

 そうですね。
 けっこう、このコメントが全て感あります。


「これは脱出なのかどうか」


 いわゆる狭義のリアル脱出ゲームとは言えないでしょう。
 謎制作には千石一郎さんが関わっているので、謎解き要素も含まれますが、あくまで含まれているに過ぎず、主体は演劇側にあると感じました。


 モヤモヤ感、とまでは行きませんが、少なからずしっくりしないものを抱きながらアジトを出て、池袋を歩きながら思ったのは、


「SCRAPが、これをやる必要はあったのだろうか?」


 です。
 そう、SCRAPである必要性は、まったく感じられませんでした。
 変な話、ナゾガクで遊べそうです。
 そんなことさえ思いました。


 難易度的には平易でした。
 秋山が参加した回は、2~3人での参加が多く、情報共有はそれほど活発ではありませんでしたが、突破口になるであろうキーとなる発言が、うまいことキャッチボールされ、危なげなくゴールが決まった、という感じでした。
 10人全員が知り合いならば、連携も取りやすいでしょうから、さらに難易度は下がるのではないでしょうか。
 そう感じていたので、ゲーム終了後に4組も脱出失敗したと知ったときは驚きました。
 なんなのでしょう、ふしぎです。

終わりに

 冨士山アネットのDANCEHOLE、調べてみたら観客参加型の公演らしいですね。
 即興で演劇したり、ダンスしたりする感じなのでしょうか?
 面白そうです。
 横浜公演は終了済みで、3月後半から京都公演……と思ったら、2016年でした。今年の新作は『巡礼』だそうですが、これも終了済み。なんてこったい。


 冨士山アネットを調べているうちに気がついたことがあります。
 それは、自分が、物語を求めている、ということです。
 リアル脱出ゲームは、自分を物語の主人公にしてくれますが、ときに物語は情報共有しなければ形作られないので、純粋に物語を享受したいのならば、謎は混じらない方が良いのかもしれません。奇妙な現象ですね。
 いずれ冨士山アネットの公演は、観てみたいものです。