2013年に発表されたウヴェ・ローゼンベルクによる交渉ゲームのボーナンザの独立型拡張『豆の女王シシィ』を遊びました。
『ボーナンザ』の拡張は、主にルックアウトゲームズかアミーゴから出ていますが、これは、そのどちらでもなく、オーストリアボードゲーム博物館がリリースしたオリジナル。題材は、オーストリア=ハンガリー帝国の皇帝フランツ・ヨーゼフ1世の皇后、エリーザベト・アマーリエ・オイゲーニエ・フォン・ヴィッテルスバッハ(愛称:シシィ)ということで、すごいコラボです。
ルールは概ね、通常の『ボーナンザ』通りです。
基本的に各豆は2ターラーや4ターラーと交換することはできず、1ターラー、3ターラー、5ターラーと価値が跳ね上がっていきます。
そして、特徴的なのはシシィボーンという50豆の存在。
そう……、
シシィ豆は50枚も存在するのです!
従来の『ボーナンザ』を根底から覆す、超パワーカードです。
もう、この時点で面白いです。
50豆ということは、半数弱がシシィ豆になるわけで、ドローすればシシィ豆であるという確率は、そこそこです。とは言え、実は、このシシィ豆。単体で植えることはできません。
タイトルに書いた「側近豆」から、察しの良い方はお気づきかもしれませんが、実は、このシシィ豆、他の豆に混ぜて植える必要があります。
それも、交互に、です。
側近と言うよりかは、近衛兵と表現した方がイメージ的には正しいでしょうか?
換金レートは、換金時、もっとも手前にあるカードに準拠します。
そして、カードによってはシシィ豆よりも、はるかに換金レートが良いので、タイミングによっては育てずに、さっくり収穫した方が良いときもあれば、特定の豆から植え始めるのではなく、とりあえずシシィ豆からスタートする、というのも手です。
基本の『ボーナンザ』の面白さを損なうことなく、最低限の追加で最大の効果を発揮する、ボーナンザの独立型拡張の中では、かなり面白いと感じました。冒頭に記した、オーストリアボードゲーム博物館リリースということも意識すると、手元に置いておきたいゲームですね。