雲上四季

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正義は涙の数だけ『名探偵コナン ゼロの執行人』の感想(ネタバレあり)

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 昨年の『から紅の恋歌』に引き続き、今年の劇場版コナンも映画館で見てきました。と言うわけで『名探偵コナン ゼロの執行人』の感想です。ネタバレ全開ですので、未視聴の方は、どうぞ観てからお越しいただければ幸いです。

観る前と観た後

 まず、観る前の秋山です。


安室さんって好きじゃないんだよなあ。いっつも赤井さんの邪魔ばかりして全体をかき乱すし。どうせ大勢を救うなら少数を切り捨ててもいい派の安室と、誰一人として見捨てない派のコナンと対立するんでしょ、分かる分かる


 とまあ、どちらかと言うとテンションは低めでした。
 理由は上述の通り、安室という存在にあります。
 漫画を20巻くらいまでしか読んでいない秋山にとって、安室は劇場版コナン『純黒の悪夢』でしか知りませんが、そちらではだいたい赤井さんの足を引っ張っていたので、そんな安室さんが主役の何が面白いのか?? という感じでした。
 それが、ですよ。
 観終えた後は、


安室さん、かっこいい


 ちょろいな。
 とまあ、そんなわけで、全編を通して思い出深いところを取り上げていきます。

「今回の安室さんは敵かもしれない」

 毛利小五郎が連行された後、暮れなずむ喫茶ポアロの前で交わされた会話には、ちょっと鳥肌が立ちました。
 だって、まさか、最初からこんな敵感があるとは思いませんでしたもの。
 小五郎がインターネット経由で犯罪をだなんて、なんの冗談? ってくらい現実味がありませんが、それでも連行されたのは事実です。大勢を救うなら少数を切り捨ててもいい論に基づいて、公安警察が国家ぐるみの犯罪で小五郎に罪をなすりつけるとならば、次から次へと証拠が捏造され、敗訴ルート一直線です。
 この絶望感は、半端ないなと息を飲みました。

IoT、ドローン、東京サミット、カジノ

 またぞろ、流行り物が一通り投入されたなあ、という感じでした。
 特にカジノタワーについては、


法案、通ってるー!


 と、内心爆笑でした。
 IoTテロに関しては、アメリカのMiraiとスマート家電の電源問題を組み合わせた感じですかね。帯域どうなってるんだ? と思ったら、コナンくんの携帯に5Gという表記があって、


5G回線、始まってるー!


 と、内心感嘆。
 それにしても、5G回線になるくらいモバイル事情は進化しているのに、工藤新一との思い出が詰まっているガラケーを手放さない蘭姉ちゃんの想いにはグッと来ますね。

様々な顔を持つ公安

 公安という組織、その隠密性については、様々な警察小説やドラマや映画で、何度も取り上げられていますが、その多くにおいて、だいたいは悪役の任を与えられています。
 今回も、だいたい怪しげな感じでしたが、安室さんが公安警察所属ということもあり、最終的には、いろいろ矛盾がある気もするけれどギリギリ正義、みたいなちょっと珍しいところに着地したなあという印象でした。
 後は、マッチポンプ感ありましたよね。だって事件の発端も、事件が大きくなった経緯も、事件の収束にも、すべて安室さんが関わってるわけで、安室さんが最初から最後まで、きっちりきれいに物事を進めれば、なにも起こらなかったんじゃないの? みたいな?
 あれ、安室さん、ほんとにかっこいいのかな……?

「僕より怖い男が二人いる」

 安室さんが怖がっていた男って誰なんですかね?
 ひとりは、まあ、コナンくんとして、もうひとりってあの映画だけで考えるなら黒田管理官ですよね。なんか安室さんの上司感ありましたし。全国の公安に指示を出せるのがゼロだとしたら、そのゼロに出せるのが公安のボス、黒田兵衛、ということなんですかね。
 その場では、そのように納得したのですが、映画館を出て、


何故、来年は赤井さんじゃないんだ……


 と考えている内に、安室さんが怖がっているもうひとりは赤井さんでは? という可能性に思い至りました。
『名探偵コナン』という物語全体を考えると、ふたりはライバル関係にあるので、その方が美しいかもしれませんが、どうなんですかね、うーん。

「僕の恋人はこの国さ」

「前から気になってたんだけど、安室さんって彼女いるの?」

 え、コナンくん、それ、このタイミングで聞く必要あるの? 今なの??

「僕の恋人は……」

 ゴクリ。
 って言うか、ハンドルを触る指付きえっろ!!

「この国さ」

 ……え?


( ゚д゚)ポカーン


 どういう意味なんですかね、これ。
 多分、本気で言っている風ではありますが、本気で言っているのであれば、あまりに痛々しいと言うか。いやはや。
 個人的には、将来的に、ゼロという身分を捨ててでも、ひとりの女性を守りたい。みたいな展開になってくれた方が好きです。

「また、お会いしましょう。夜空に浮かぶ、船の上で」

 ラストは次回予告。
 と言うわけで、来年は少し封切りが遅れてGWになる様子。そして、メインキャラは怪盗キッド。
 これは……各謎制作団体は、捗りますね。

終わりに

 と言うわけで、『ゼロの執行人』の感想でした。
 ちなみに劇場版コナンは、今のところすべて観ています。よろしければ、こちらもどうぞ。