雲上四季

本と涙と謎解きと、愛しさと切なさとボードゲームと

悪モノが割った分配報酬を狙え『ワルもの』の感想

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 広島ものづくりジムさんのゲームマーケット2018大阪の新作『ワルもの』を遊びました。
 一風、変わった分配とバッティングのカードゲームでした。


 考えてみたら、分配というメカニクスは、奇妙なプレイテイストを持っています。
 プレイヤに分配を任せるゲームと言えば『もっとホイップを』が真っ先に思い浮かびます。あちらは、分配したプレイヤの左隣のプレイヤから、順々にピックしていって、最後に残ったものが分配したプレイヤのものとなりますが、この『ワルもの』は分配した後に「いっせーのーせ」でカードを出して、キューブ獲得に向けて動きます。


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 ワルものは、他プレイヤが欲しがりそうな環境を用意して、首尾よくバッティングするように待ち受け、ワルもの以外のプレイヤは、ワルものとバッティングしないよう、敢えて価値の低い山を狙いにいくか、あるいはワンチャンを狙って価値の高い山に飛び込んでいくか──。
 ある種のブラフゲームでもあります。


 正直、ルールを読んだ段階では、今ひとつ勝手が分からず、首をひねりましたが、2ラウンドが過ぎた頃には、


なるほど面白い


 と深く頷いていました。


 とにかくバランスが絶妙なんですよね。
 分配を自由に決めることができるワルものは、一見有利なようでいて、他プレイヤがバッティングしてくれないと、ぜんぜん勝利点が得られないので、むしろ不利です。さっさと他プレイヤにその座を受け渡したいくらいです。
 ベストは、ワルものにならないよう、その手をかいくぐりながら僅かながらでもキューブを獲得しつづける動きでしょうか。


 そう分かっていても、なかなか上手く動けない。
 という悩ましさもあります。
 システム的には、格段、珍しいわけではないですが、うまいことバランスを制御していて、考える快感にあふれているように感じました。面白かったです。