雲上四季〜謎ときどきボドゲ〜

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Wolfgang Warschのエッセンシュピール2018新作『Fuji』の紹介


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 皆さん、こんにちは。秋山です。
 今年のエッセンシュピールは木曜日しか参加できませんでしたが、買えたゲームは新鮮なうちに崩していく予定です。
 まずはWolfgang Warschの『Fuji』から。ルールも、かんたんにではありますが紹介します。

デザイナとパブリッシャーについて

 デザイナーは、今をときめくWolfgang Warsch(ウォルフガング・ウォルーシュ/ヴァルシュ)
 2018年のドイツ年間ゲーム大賞に『The Mind(ザ・マインド)』が、ドイツ年間エキスパートゲーム大賞にも『Die Quacksalber von Quedlinburg(クアックサルバー)』と『Ganz schön clever(ガンシュンクレバー)』がノミネートされ、一躍名を馳せたデザイナです。
 パブリッシャーはFeuerland Spiele(フォイアーラントシュピーレ)。Frank HeerenがUwe Rosenberg(ウヴェ・ローゼンベルク)と共に設立した会社で、代表作は『テラミスティカ』『ガイアプロジェクト』『オーディンの祝祭』でしょうか。知っている方も多いと思います。
 と言うわけで、新進気鋭のデザインが、新進気鋭のパブリッシャーから出した意欲作ということで、個人的には協力ゲームが好きということもあり、エッセンシュピール2018におけるいちばんの注目株でした。

ストーリーとゲームの概要

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 プレイヤは富士山を登頂せんと日本を訪ねた旅人。しかし、頂上に辿り着こうとした、まさにその瞬間、大地が鳴動! 200年ぶりに噴火した富士山の溶岩から逃れるべく、プレイヤは手に手を取って、麓の村落を目指す……という感じのストーリーです。
 ゲームは、協力型のダイスゲームです。ダイスを振って出目に応じて、山を降りることができます。溶岩に巻き込まれるか、スタミナが切れて死んでしまう前に、全員が村落に辿り着ければ全員勝利でゲーム終了、さもなくば全員敗北でゲームオーバーです。

ゲームの流れ

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 ゲームはいくつかのラウンドで構成されています。
 ラウンドはフェイズ1からフェイズ6までで構成されており、フェイズ6の最後にゲーム終了の判定があり、ゲームが終了しなければ、次のラウンドに突入し、再びフェイズ1から繰り返します。

フェイズ1

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 全プレイヤは、同時についたての内側でダイスを振ります。
 ダイスの出目は自分だけが確認することができ、他プレイヤに見せたり、その内容を伝えたり、勝手に操作することはできません。

フェイズ2

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 全プレイヤは、同時に、そのラウンドにおける目的地を定めます。
 具体的には振ったダイスの出目を見て、自分が移動できそうな場所に、目的地トークンを置きます。
 各タイルの上に、目的地トークンは、ひとつしか置くことができないので、他プレイヤとかちあった場合は相談の上、いずれかひとりのプレイヤに特定する必要があります。
 また、移動は、その時点でそのプレイヤコマのあるタイルから、3タイル先までしか移動することができません。
 また、一部装備品の使用が可能です(装備品は使い捨て)。

フェイズ3

 各プレイヤは、ダイスの振り直しができます。
 目的地トークンを現在地と同じタイルに置いた場合は2回、1タイルか2タイル先に目的地トークンを置いた場合は1回、振り直しができます。3タイル先に目的地トークンを置いた場合、振り直しはできません。

フェイズ4

 振り直した後のダイスを見ながら、再度、相談の上、一部装備品の使用が可能です。

フェイズ5

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 いよいよ、ついたてを取り除き、移動の判定を行うときです。
 全プレイヤ、同時についたてを取り除き、それぞれのダイスの出目を確認します。後述する移動可否の判定を行い、大成功の場合はノーダメージで移動成功、小成功の場合はダメージを受けつつ移動成功、失敗の場合はダメージを受けてしかも移動できず立ち止まることになります。

フェイズ6

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 溶岩の侵食フェイズです。
 盤面を確認し、裏向きになっている、つまり溶岩に覆われているタイルを確認し、そのタイルに縦横で接しているタイルを裏向きにします。
 一度、裏向きになり、溶岩に覆われたタイルは、二度と表向きになることはなく、プレイヤはその上を、もはや通れなくなります。
 万が一、いずれかのプレイヤコマが置かれていたタイルがひっくり返った場合は、そのプレイヤは死亡し、即座にゲーム終了です。
 このタイミングで、全プレイヤが下山し、村落に辿り着いていれば、そこで終わり。プレイヤはゲームに勝利します。

移動可否の判定について

 上記フェイズ5の際に、後述すると書いた移動可否の判定について。
 正直、言葉で説明するのは非常に難しいのですが、このルールが、このゲームの肝であり、このゲームを今までにない、まったく新しい協力ゲームたらしめている要素と言えます


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 まずは、大前提。
 各プレイヤが移動するとき、移動先として設定した、つまり目的地トークンを置いているタイルの下部に書かれているアイコンが重要です。そのアイコンを元に、判定するわけです。
 まず、そのタイルに移動しようとしているプレイヤは、自分の振ったダイスの出目のなかから、自分が目的地トークンを置いたタイルに指定されているアイコンに適合するダイスを抽出します
 次に、適合したダイスの出目を合計します。これが、そのプレイヤの移動力となります
 算出を終えたら、両隣に座っているプレイヤの出目を確認し、彼、彼女らの振ったダイスの中から、アイコンに適合するダイスを抽出し、その出目を合計し、移動力を導き出します。
 3者の移動力を比較し、自分がもっとも高かった場合(同値不可)移動成功となり、ひとりでも自分の移動力を上回っているプレイヤがいれば、移動失敗となります
 この比較をおこなったとき、大差があれば移動は大成功となり、僅差であれば移動は小成功です。


 どうでしょう、伝わりますかね?
 今ひとつピンと来ないかもしれませんが……そうですね、ゲーマー的な表現をすれば、ある種の競りであるかもしれません。ダイスを使って、移動できるかいなかを競り落とす、みたいな。


 勘のよい方は、この時点でピーン! と来ているかもしれませんが、上述の通り、このゲームは協力ゲームです。ゲームの目的は、全プレイヤが村落に辿り着くこと。逆に、ひとりでも脱落してしまったら、その時点でゲームオーバーとなります。
 つまり、ダイスの出目は、かち合わないほうが良い。分かりますかね?
 仮にふたりのプレイヤが、同じようなダイスの出目を要求するタイルを目的地と設定した場合、ダイスの出目がかちあってしまうと、ふたりとも移動できない、あるいは片方が移動できたとしても大ダメージを負うことになるのです
 いかがでしょう、フェイズ2における相談が、いかに重要な時間であるか伝わりますでしょうか。

ゲームの感想

 英文ルールを解読した後、ぺこらさんとふたりで遊んでみましたが、ざっと30分で成功でした。
 初プレイだったので、勝手が掴めず、途中、右往左往する場面もありましたが、結果的には危なげなく勝てたような気がします。
 タイルの配置方法は、7種類あるマップカードで指示され、大成功と小成功の判定にはレベル1からレベル4までの4段階で選ぶことができるので、難しいマップを選んだり、レベル2や3、あるいは4で挑戦すれば、もっと歯ごたえのあるゲームが楽しめそうです。

終わりに

 目的地トークンを介して、他プレイヤと会話して、そのダイスを類推するという、極めて斬新かつ新奇なゲームでした。協力ゲームは大好物ですので、このルールは知った瞬間に感動し、実際に遊んでみて、その真髄を味わいました。
 非常に面白いので、機会があれば是非、遊んでみてください
 6種類のスキルカードと15種類の装備品や、細かいルールについては割愛しましたが、英語ルールに不安がある方は、お気軽に秋山までお問い合わせください。できる範囲内で対応させていただきます。


富士山、噴火したら大変だよね~

正直、富士山が噴火したら、麓の村落に逃げ込んだところで、駄目な気がする……

確かに。ところで200年は嘘だよね

Wikipediaを見たけれど、最後に噴火したのは1700年らしいよ。信頼性は低いみたいだけれど

協力ゲームって言われたけれど、協力してるんだか、邪魔してるんだか、分からなかったけれど新しくて面白かったよ!

お互いに邪魔しないというタイプの協力だよね

同じ方向性だと駄目だから、譲り合いが大事だよね。今回は2人でやったけれど、3人や4人だと難しくなりそう

譲り合いが大事だから、日本テーマなんじゃないの?

なるほどねー、また遊ぼう!!