雲上ブログ〜謎ときどきボドゲ〜

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パリ行き最終を逃して焦った話

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 旅行と言えばトラブルですね。
 万難を排して臨んだつもりであっても、ふとした拍子でつまづいてしまい、言葉も通じず困ってしまう。そんな経験をされた方も多いことでしょう。
 旅慣れていらっしゃる方であれば、そもそもトラブルなんてものは起こるものだし、それを想定して予定を組まれることもあることでしょう。秋山は旅慣れている方ではありませんが、デュッセルドルフで遭遇したトラブルをひとつご紹介します。

最初に申し上げたいこと

 準備しておいて良かったなあと心の底から感じたのは、ネット環境です
 具体的には海外用のWi-Fi。ヨーロッパではカフェを中心に、無料Wi-Fiを使える環境が、そこそこありますが、繋ぎたいときにすぐに繋げる環境があるのとないのとでは大違いです。



 ちなみに、ネット環境という観点では、Threeデータ通信プリペイドSIMも用意していたのですが、今ひとつ上手いこと設定がいかず、ぺこらさんのケータイでは稼働したのですが、秋山のケータイでは稼働せず……多少、値が張ってもWi-Fiを借りておいて良かったと感じました。


 もうひとつ助かったのは、ホテルの予約サイトですね。
 パリ行き最終を逃した結果、急遽、デュッセルドルフで一泊せざるを得ない状況になったわけですが、中央駅から徒歩数分という良い立地でありながら、リーズナブルな価格の部屋をすぐに抑えることができて助かりました。


何があったのか……!

 それでは、いよいよ、どういったトラブルがあったのかをご紹介しましょう。
 10月25日木曜日。
 秋山はドイツからフランスに移動するための手段として、18時17分デュッセルドルフ発、22時5分パリ着のタリスを予約していました。席はCOMFORT、いわゆる日本の新幹線で言うところの指定席というものです。
 タリスに乗るために、朝からエッセンシュピールを満喫していた秋山ですが、15時には余裕を見て、早々に撤収を決め込みました。ボードゲームでぱんぱんになった鞄を持ち、まずはタクシーでホテルへ。到着後、ホテルのロビーでスーツケースを開けて、買ったばかりのボードゲームを迅速に詰め込んでいきます。そして、準備できるや否や、ホテルからタクシーに乗ってデュッセルドルフ中央駅へと走ります。
 費用を考えるとエッセン中央駅経由で電車で向かった方が効率的ではあるのですが、ドイツの駅は階段が多く、20キロを超えるスーツケースを手に迅速な移動を心がけるより、タクシーを駆使して体力消費を抑えた移動の方が効率的、という判断です。


 スピーディに事を進めたこともあり、17時にはデュッセルドルフ中央駅に着いていたように記憶しています。
 18時17分の出発まで、ちょっとカフェに入って時間を過ごします。
 そして18時くらいでしょうか。電光掲示板でタリスがやってくるホームを確認します。


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 ドイツの電車は、タリスに限らず、けっこう直前まで、どのホームにやってくるか分からないので、到着予定時刻の何分か前になったら、電光掲示板を確認しないといけないんですよね
 写真を見ていただければ分かると思いますが、パリ行きのタリスは下から3行目に確認できます。
 そして、ここで注目いただきたいのは、1番目と2番目の電車も、それぞれ16番ホームを予定しているけれど、明らかに遅れていることです。さらに、タリスの行の右端を見ると、何やらドイツ語で文章が流れています。


 ここで、秋山が思い出したのは、何日か前に、けがわさんがタリスに乗ったけれど、電車がかなり遅れたという情報です。
 さらに、タリスと同じ16番ホームを使う他の電車が遅れているならば、玉突き的にタリスも遅れているのではなかろうか。そう考えました。


 とは言え、遅れているかもしれない。
 という想像を元に行動するのは危険です。
 残り17分、トイレを済ませたり、電車内で食べたり飲んだりするものを用意してから、ホームに向かおう、そう考えました。


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 まず、トイレに。
 ぺこらさんと交互に、お互いの荷物を見ながら順々に済ませます。
 次に、NORDSEE。ニシンの酢漬けサンドイッチを買います。
 それから缶ビール。電車内で飲むためにピルスナービールを買いました。


 準備を済ませ18時15分にエスカレーターに乗り、16番ホームに来ていると、なんとタリスの赤い車両が見えます!
 この短い時間の中で、遅れていた1番目の電車と2番目の電車がやってきて、後続のタリスも来たということでしょうか!
 理由は不明ですが、来ているのであれば乗り込まなければなりません。
 しかし、スーツケースは20キロ以上あって、これを持ってエスカレーターを駆け上るのは至難です。
 なんとか、スーツケースを転がしながら、最寄りの入り口に近づくと、


 ぷしゅー


 扉が閉まりました。
 ヨーロッパの電車はボタン式ですからね。一定時間、乗客の乗り降りがなければ、閉まる仕組みになっているのでしょう。
 落ち着いて、ドアの側にあるボタンを押しました。


 開きません。


 接触が悪いのでしょうか。


 もう一度、押します。


 開きません。


 うーん。
 よく分かりませんが、電車が動く気配は、まだありません。
 それに、電光掲示板を確認すると、乗り込もうといていた車両は、秋山が予約していた23号車ではありませんでした。もしかしたら、この車両は乗り込めないのかもしれません。
 隣の車両の前まで移動して、今度こそボタンを。


 ガコン。


 電車が動き始めました。
 信じがたいことです。
 時間前に着いていて、ボタンを押したにも関わらず、扉が開かず、目の前で電車を逃すなんてありえません。
 いったい、どういうことなのでしょうか。
 見回すと駅員室のような小部屋があったので、入り込んで困っている旨を伝えます。


「何を言っているんだ? 今の時刻は、18時19分……おっと、たった今、20分になったけどな。俺は見ていたが、電車は18時15分にやってきて、17分に扉を閉めて、18分くらいに走り始めたよ。残念だとは思うが、電車を呼び戻すことはできない、あの電車は諦めるんだな」


 愕然としつつ腕時計の針を今一度確認すると18時18分。しかし、駅員さんが示すPC画面の右下、タスクトレイの中の時刻は18時20分。
 2分のズレがありました。


「教えてほしい、なんとかして今日中にパリに行きたいんだが、どうすればいい?」


「オーケー、ちょっと待ってくれ。んー、今のはパリ行きの最終だから、もう電車に乗ってパリに行くのは不可能だな。おっと、俺にいいアイデアがある。タクシーに乗って、追いかけるんだ。今、行けば間に合うぞ。せっかくだから、タクシー代も調べてやろう。えーと……460ユーロだな」


「460ユーロ! しかも、それを払って行ったとしても、間に合う確証はない?」


「道が混んでいるかどうかは俺にも分からん。もし、明日の早朝の便でも間に合うならば、階段を降りて、ちょっと行ったところにサービスカウンターがあるから、そこで振り替えができるかどうか聞いてみるんだな」


「ありがとう」


 さすがに失意を覚えつつ、しかし、早めに対応しないといけない予感がして、早足で下りのエスカレーターを探して降ります。
 果たして、教えてもらったサービスカウンターはDB(ドイツ鉄道)の窓口で、フランスの鉄道会社であるタリスのチケットをどうこうできるとは考えられません。
 とは言え、聞く前から諦めても仕方がないので、一縷の望みを掛けて聞いてみます。


「つい先ほど、パリ行きのタリスを目の前で逃してしまい困っている。明日の朝の便に変更したいのだけれど、なんとかして貰えないか?」


「そのタリスのチケットは、DBの窓口で買ったもの? それとも、タリスの窓口で買ったもの?」


「タリスのサイトから買ったものだ」


「だとしたら、DBは、あなたを助けられない。タリスの窓口に行ってもらうしかないけれど、残念ながらタリスの窓口は18時15分までだから……まだ開いているかどうか確約はできないわ」


「ありがとう、とりあえず行ってみるよ」


 デュッセルドルフ中央駅における、タリスの窓口は、奇遇にも確認済みでした。
 そう、何日か前に訪れたデュッセルドルフ中央図書館のすぐ隣にあったのです。
 閉まっているかも、閉まっていたらどうしよう、開いていてほしい。
 そんなことを脳裏でぐるぐる考えながら駅構内を抜け、タリスの窓口に向かうも、残念ながら既にして照明は落とされ、入り口は閉ざされていました。さすが退勤時間に対して忠実なドイツ人です。


 深い溜息をついてから、駅構内の明るいところに戻ります。
 暗いところにいると際限なく気持ちが沈みそうだったので。


 まず、確認したのは、翌日のタリスの時刻表です。
 どうやら6時台と7時台に、それぞれ1本ずつ出発する様子でした。その後は、だいぶ時間が空いて、昼過ぎになる様子で、現実的な解ではありません。
 タリスの窓口は7時にオープンするので、オープンと同時に窓口の方に泣きつけば、7時台の電車に、多少のキャンセル料を払いつつも、乗せてもらえるかもしれません。
 しかし、確実ではありません。


 苦渋の決断となりましたが、もう逃した電車のことは完全に忘れ、早朝6時16分発の翌日の電車を予約することにしました。
 しかも、見てみると指定席は売り切れ済み、一般席のところには、Over Bookingという不穏な文字が見えました。察するに、一般席として用意されている席以上のチケットがすでに売れてしまっている。つまり、運が悪いとパリまで4時間、立ちっぱなしになる可能性があるわけです。


 再びの苦渋の決断となりましたが、PREMIUM席、いわゆるグリーン席を取ることにしました。
 翌日の足が用意できたら、次はホテルです。
 予約サイトにアクセスし、なるべく駅に近く、リーズナブルな価格で、そこそこに評価が高いところを探します。


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 見つけたのはシティホテルデュッセルドルフ。
 結論から言うと、最高の部屋でした。


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 タリスを逃すことになった諸悪の根源となった缶ビールは、その日のうちに怨みをこめてヤケ飲みです。美味しかったですけどね!!


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 翌朝、Kampsでコーヒーを買って、今度は余裕を持って6時前にホームに到着します。


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 15分後、待ち望んだ赤い車両がホームに滑り込んできたときは、さすがに大きな溜め息が出ました。


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 プレミアム席は快適でした。
 1列と2列の計3列シートで、広々していました。


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 しかも、朝食のサービスなんかもあったりして、大好きな酸っぱいリンゴも出ました。


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 コーヒーカップには、タリスのロゴも描いてあったりして。素敵です。

終わりに

 と言うわけで、トラブルでも何でもなく、ただ単に秋山がビールを買うことに夢中になっていたら、電車を逃したという、ただそれだけの話だったわけですが、ほんと、時計の針が進んでいたことに気づいた瞬間は、さすがに血の気が引きましたね。
 今日の教訓は、時間に注意、ということでひとつ。


あっきーがね、ビールを探しに行って、なかなか戻ってこなくて駄目かなあって思ってたんだよね。急いでいる風のひともいたし。エスカレーターを降りたとき、きょろきょろしてる車掌さんがいて、ヤバイなと思ったんだよね。でも、あっきーが大丈夫って言って、ボタンを押して、でも開かなくて、やっぱり駄目なんだー、って思ったよ

いや、ほんとうに申し訳ない

その後は、ホテルがすぐに予約できて良かったよ。スリッパもあって、広くて、バスタブもあって、良いホテルだったよ。いちばん日本的だったんじゃないかな。最後の1部屋が余ってて良かったよ。あのホテルが予約できなかったら、最悪、野宿してたよ。ヤバかったよ

ま、そのときは違うホテルを予約してたよ

今度、デュッセルドルフに泊まるときは、また、あそこにしようよ。あそこ良かったよ

シューマッハにも近いしね

ちなみにタリスのプレミアムはね、食事がついてきてお得だったね。美味しかったよ。パンのためのジャムは選べたから、小瓶のいちごジャムにしたよ! 豪華だった、ちっちゃいサイズだから、お土産にもなりそう。景色も良かったよね。向かい合わせで広い窓で見れて良かったね。無事に乗れて良かったよ。

ベルギーの田園風景は、地平線まで続いていて、ちょっと良いよね。ときどき羊もいたりした

これで無事にフランスに到着できるのかな……? また次回……!!