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Amazonで低評価過ぎる『圧勝』一気読み後の考察(ネタバレあり)

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 ほんとうは「さびしさや不安が狂気に繋がる」というタイトルを考えていたら、Amazonでの評価が低すぎて吹っ飛んでしまいました。
 こんにちは、秋山です。
 小虎『圧勝』を最新刊まで読みましたので感想です。ネタバレありですので、ご注意ください。

あらすじ

吉田さんは美人です。
吉田さんはモテます。
吉田さんはちょっとヘンです。
吉田さんのことが…僕は好きです。

https://www.urasunday.com/overwhelm/index.html

 公式のあらすじが、あらすじの体をなしていません
 美人で魅力的だけれど、異性に対する距離の取り方が変な引きこもり吉田さんと、大学に入ったけれど馴染めないでいる非モテ主人公の、ゆるふわ日常系漫画、と見せかけての鬱々としたサスペンスミステリーです。

読み始めたきっかけ

 一時期、Twitterの広告で何度か見掛けました。
 巨乳の吉田さんが「圧勝」と書かれたTシャツを着ていた画像の。
 その後、Kindleで1巻~3巻までが無料になっていたので、試しに読んでみたら、面白くって一気読みしてしまいました。3巻までは定期的に無料化されることが多いので、気になっているけれど今はいいや、という方は無料化のタイミングを待っても良いかもしれません。
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何が面白いのか

 マンガワンというスマホで読める無料雑誌に連載されている作品で、けっこう「引き」を意識しているものと思われます。全体で見ると、物語の進行は遅々としているのですが、瞬間最大風速的には、わりと毎話ごとに「次はどうなるんだー! 早く教えろー!」みたいな作りになっていて、ついつい読んでしまうんですよね
 でも、振り返ってみると、上述の通り、全体では、あんまり進んでいなくて、結局『圧勝』とは何なのか? と哲学的な問いに頭を悩ませることになります。

絵はド下手

 下手です
 デッサンと言うのでしょうか? パースと言うのでしょうか?
 身長差では言い訳ができないレベルで狂っているシーンや、両手の長さが違ったり、手がエイリアンみたいになっていたり……ビックリします。
 秋山は電子書籍で読んだので、パッパッとスライドしてスルーしてしまいましたが、本で買って1ページ1ページゆっくり読む派の方は、ほんとうに衝撃を覚えることでしょう。この現象を避けるために、敢えて物理の本ではなく電子書籍を購入するというのも、ひとつの手かもしれません。

Amazonの低評価について

 と言うわけで、瑕疵の多い作品ではあると思うのですが、それにしたって低評価に過ぎるような気がします
 もっと、手の施しようがない作品は、世に数多あるわけで、ちょっと気にし過ぎでは? そんな印象です。

最新話まで読み終えて

 将来への不安だとか、友人や恋人との繋がりだとか。
 そういった青春要素が満たされないとき、ひとはさみしさや不安を覚えるわけで。それが放置された結果、良くない方向に転落したら、こうなりました。みたいな話で、読んでいると気分が沈みます。


 長瀬ハルコの死も、たいがいショックでしたが、心底、がっくり来たのは、デブこと山崎悠人が元木テツに乗せられて薬を服用し、丹波みどりを殺したところですかね。
 もう「あーあ」としか言いようがありません。
 この感じですと、小嶋真が死んで、明里愛が後を追う日も遠くなく、西園寺光輝がまたしても独りになりそうです。やれやれ。

終わりに

 ネット連載の漫画って、こういう引きは強いけれど、負の感情を励起させるだけ。という作品が多いですよね
『圧勝』はその点、直截的なグロシーンは、ほとんどなく、精神的にじわじわ追い詰める感じなので、ついつい最新話まで追ってしまいましたが、リアルタイムで追うのはやめようと思います。完結したら、また一気に読もうかなあ、と。そんな感じです。

圧勝 (7) (裏少年サンデーコミックス)

圧勝 (7) (裏少年サンデーコミックス)

  • 作者:小虎
  • 発売日: 2018/11/19
  • メディア: コミック

ちなみに……!

 シンプルに面白い漫画を探されているのであれば、断然、オススメしたい漫画家がいます。
 その名は、堀尾省太!
 次から次へと衝撃的な展開が迫り、続きが気になって仕方ないという点では『圧勝』と同じですが、物語の運び方も画力も段違いです。超絶オススメです。