雲上四季〜謎ときどきボドゲ〜

本と涙と謎解きと、愛しさと切なさとボードゲームと

世界でもっとも美しい図書館のひとつ『聖ジュヌヴィエーヴ図書館』訪問レポート


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 パリ旅行の際、聖ジュヌヴィエーヴ図書館を訪ねました。
 パンテオンを訪ねて、市庁舎やソルボンヌ大学など荘厳な建物が建ち並ぶ圧巻の様子に、思わず吐息をもらしていたらBibliothequeという記述を見掛け「お、図書館だ。もしかしたら、ボードゲームもあるかも!」という不純な動機で入ったのでありました。
 期せずして得難い体験ができたので、紹介させてください。

入り口

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 入り口は、こんな感じです。
 左右に行列ができています。どうして並んでいるだろう? と不審に思いつつも、負けない気持ちで扉を押して中に入ろうとすると、黒人の警備員に止められました。


警備員「ボンジュール」
秋山「ボンジュール」
警備員「勉強に来たの? それとも、ツアー?」
秋山「(勉強? ツアー??)観光に来た、ちょっと中を見てみたいと思って」
警備員「分かった。じゃあ、案内するから、ちょっとそこで待ってて」
秋山「待つ? どうして??」
警備員「いいから。観光したいなら、素直に待つことだ」
秋山「……オーケー」


 図書館のはずなのに、妙に警備が厳重です。
 5分ほど待ってみましたが、いっこうに案内される気配がないので、警備員の方が、他の訪問者と話しているすきに、こっそり入ろうとしましたが、案の定、すぐに見つかって、


警備員「こらこら。おとなしく、待っているように」


 怒られました。

入館

 さらに5分ほど待ってみると、ようやく入ることが許されました。
 荷物チェックをされるのかと思いきや、そんなこともなく受付に座って待つように指示されます。


警備員「もう少し待っていたら、ツアー担当の職員がやってくるから。そうすれば、お待ちかねの観光だ」
秋山「ツアーはいいよ、勝手に見て回るから」
警備員「……確認だけど、観光に来たんだよな? 勉強じゃないよな?」
秋山「(勉強??)ただの観光だけど……(まさか、ボードゲームを見にきたとは言えない)」
警備員「だったら、おとなしく待つことだ。ツアー以外の観光は認めていないんだ」
秋山「……オーケー」


 受付に座って待っていると、その後、ひとりふたりと観光客が集まり始めて、秋山を含めて7名くらいになりました。
 そこに、図書館の職員と思しき方がやってきて、フランス語でなにやら言った後に、英語で、


職員「英語しか分からないという方は?」
秋山「はい」


 実際には、もうひとり挙手している方がいました。


職員「オーケー。英語は、あんまり得意じゃないから、質問には答えられないかもしれないけれど、説明だけはできるよ。ようこそ、サント・ジュヌヴィエーヴ・ライブラリへ。ぼくはツアーを担当しているものだ。ツアー時間は、だいたい15分くらい。まずは、どこから来たのか教えて。市内?」
秋山「日本です」
職員「おー、ジャパン! 素晴らしい、ジャパン好きだよ。次の方は?」


 ひと通り観光客の出身を確認し、ノートにメモを取った後、ツアーが始まりました。

ツアー

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 実際のツアーの内容は割愛しますが、館内に飾られていた絵画や天井画などを説明しつつ、聖ジュヌヴィエーヴ図書館のなりたちや、この図書館がパリにおいて、どういう価値を提供していて、どう影響を及ぼして、そして、ここで勉強した有名人を教えてくれました。
 そう、まったく予備知識なくまぎれこんでしまったわけですが、非常に歴史があり、そして勉強する学生のための図書館であったわけです。ここで、初めて入り口に並んでいたフランス人たちが、なにを待っていたか分かりました。そう、勉強机が空くのを待っていたのです。信じられない熱心さです。感動しました。


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 勉強スペースを撮影しようとしたら「学生たちを撮るのはやめてね」と注意を受けたので、なんだか曖昧な感じになってしまいましたが、実際には広大なスペースで、勉強机がずらりと並んでいました。
 特に印象深かったのは、朝から晩まで開いていることに由来して、太陽や星、月の意匠が随所に凝らされていたことです。


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 観光中にも、勉強を終えた学生たちが退館し、入れ替わりに入館する学生たちがいましたが、どうやら座席はフランス在住であればインターネットで予約できるみたいです。
 繰り返しになりますが、予約して、そして列に並んでまで勉強をしにくる学生たちの姿勢には大きな感動を覚えました。

終わりに

 正直、ツアーの直前までは「ボードゲームがあるかないかを、ちょっと確認したかっただけなのに、わけのわからないツアーに巻き込まれちゃって……困ったなあ」と思っていましたが、ツアーが終わる頃には、すっかり満足して「こんなに素晴らしいツアーが無料ってお得だなあ!」とウキウキしていました
 慣れない英語で対応してくださった職員さんにお礼を述べ、警備員さんにも挨拶して図書館を後にしました。
 表に出ると、入ってきたときと同じように並んでいる学生たちがいましたが、入る前とうってかわってなんだか輝いて見えましたね。
 所要時間は、待ち時間も含めて30分くらいでしょうか。近くに立ち寄った方は、是非。


あっきー、待つの嫌いだよね

いやあ、だって、ボードゲームあるかどうか確認したら、すぐに次の目的地に行きたかったんだよ

恥ずかしかったよう……

ごめんね。でも! ちゃんと、待って良かったね。堪能したよ

建築が良かったよ。しかも、あんなに学生が勉強しててすごいなあって思ったよ。パリの未来は明るいよ