雲上ブログ〜謎ときどきボドゲ〜

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コンポーネントが秀逸『こたつのなかからでたくない』の感想

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 シメシメゲームズさんのゲームマーケット2018秋の新作『こたつのなかからでたくない』を遊びました。
 3人から4人で遊ぶことができるゲームです。


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 なんと言っても、この見た目!
 この時点で、ゲームとしてだいぶ勝った感があります。
 こたつのコンポーネント、こたつの中に体を突っ込んで、ぬくぬくと惰眠を貪っているプレイヤ。そして、こたつの上に転がったいくつかのミカン。
 日本人であるならば、一度は遊びたくなる見た目です。


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 ゲームとしては、珍しいタイプで、敢えて言うならばブラフ系……でしょうか。
 まず、親手番プレイヤが、山札からカードを1枚ドローして、自分だけがその内容を確認します。たとえば写真の場合は「風呂掃除」ですね。
 数字の7は、このお手伝いをこなすことで与えられる報酬=ミカンの数です。
 カードを確認したら、親手番プレイヤはカードをそっと伏せて、任意の個数のミカンをこたつの上に置きます。これが、このラウンドにおいて場にある報酬の総数となります。


 この後、全プレイヤは、今回のラウンドでお手伝いをするかしないかを決め「いっせーのーせ」の合図で、自分の駒をこたつの中に寝かせたままにするか、スポーン! と飛び出させます。
 飛び出した場合は、お手伝いをすることになります。そして、お手伝いをすることを選んだプレイヤで報酬(今回ケースだと7ミカン)を分け合います。
 逆にお手伝いをサボることにして、こたつで惰眠を貪った場合は、こたつの上に残ったミカンを得ることができます。


 親手番プレイヤが、こたつの上に置いたミカンの多寡から、今回のお手伝いの報酬を予測し、こたつから飛び出てお手伝いをするべきか、こたつのなかに引きこもり、残ったミカンを美味しくいただくかの選択。
 まさに日本の風物詩です!


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 自分だけが見たカードに対して、どこまでミカンを積むか。その面白さに気がついた瞬間は「なるほど!」と膝を打ちましたが、実際に遊び続けているうちに感じたのは単調さです。
 使用済みのカードは、すべてオープンにして、残った数字を予測するというアブストラクトな味付けよりも、お手伝いの内容、上記の写真の場合は「風呂掃除」を親手番プレイヤが告げて「果たして、風呂掃除をしたらいくつくらいミカンを貰えるのだろうか……?」と頭を悩ました方が面白いように感じました。


 ゲーム的には、もう少し作り込みの余地があるように感じましたが、そうは言ってもコンポーネントの勝利ですよね。この見た目のインパクトだけで、もう勝ったも同然です。