そして春は去った。
超短編と銘打たれた九十篇の作品は、過ぎ去った。
しかしそれは終わりを意味しない。
雲上四季は終わらない。
春が終われば、夏が始まるだけだ。
今度の季節は少し手強い。
お題が存在するのだ。
提示されたお題に従って書く必要がある。
けれど。
ここは雲上。
下界の常識も法律も通用しない、天国。
電子の海に漂うだけのお題になどは縛られない。
それは自由。
どこまでも青い自由。
さあ、
はじめよう。
雲上の夏をはじめよう。
狂おしく咲き誇る夏をはじめよう。