雲上ブログ〜謎ときどきボドゲ〜

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A HARD DAYS NIGHT

 疾風が舞う。
 激しい暴力性を伴って、駆け抜けた剣先は、確かに避けたはずなのに脇腹に血の花を咲かせた。痛みよりも驚きが先に、全身を駆け抜ける。避けたという自身の意識に誤りがあったのか、理想の動きと現実の動きとの間に致命的な断裂があったのか、それともこの認識に誤りはなく、ただ敵の攻撃が刃風をまとうほどに鮮烈を極めていたのか。
 事実は不明、しかし予断は許さない。いや、はなからそのつもりではなかったのか。油断のならない相手であることは、挑戦の言葉を投げかけたときから分かっていたはず。ならばやはり。
 紙一重で避けきった――が、またしても失敗。二の腕からあふれ出る鮮血にもう驚きは感じない。相手はもうただ強いのだ。こちらの持つ読みの力を上回るほどに。戦いの最中に、後戻りはない。一度、始めてしまった戦いなのだ。今はもう戦い抜こう、そして信じよう。例え、相手の攻撃がこちらの防御を上回っていようとも、こちらの攻撃が相手の防御を下回っているとは限らないと。それに相手の強さが越えられないのならば、この戦いの中で越えるまでだ。勝機は最後の一瞬まで見逃さない、さあ次の一手を探そう。


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