雲上ブログ〜謎ときどきボドゲ〜

オススメの謎解き&ボードゲーム&マーダーミステリーを紹介しています

ななつのこ

ななつのこ (創元推理文庫)

ななつのこ (創元推理文庫)

ななつのこ』という本を衝動買いした入江駒子は、その作者にファンレターを書こうと思いたつ。そのファンレターに彼女は、本の感想のおまけに、最近、身の回りで起こったちょっと不思議な出来事をつけたした。……返ってきた手紙には、なんとちょっとした事件に対する想像の“解決編”がつけられていた。
 第三回鮎川哲也賞受賞作。七篇の短編連作という形式を取っていながら、最後の一篇で、それまでの話が実はすべて関係しており、ひとつの長編小説だったと明かされる……と人から聞いていたのだけれど、実はそこまで完成度は高くなかった。とは言え、最後の一篇が明かす真相の存在感は大きい。ところで自分は本書が描いている人間の方をより重要視したい。主人公は十九歳の女子大生なのだが、その存在が非常にリアルで、とても親近感が持てる。各短編で扱われているテーマも、緻密で繊細なもので、読みながら何度も泣いてしまった。こういう本こそ大人は若者に紹介するべきではないだろうかと思う。