雲上ブログ〜謎ときどきボドゲ〜

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空の境界 the Garden of sinners 下

空の境界 下 (講談社ノベルス)

空の境界 下 (講談社ノベルス)

 三人の刺客を経て、ついに相対する魔術師――荒耶宗蓮と、日本刀を執ることで覚醒した両儀式黒桐幹也の妹、鮮花が通う女学院に発生した、自分でさえ忘れていた秘密が手紙という形で届けられるという小さな謎。そして、殺人鬼の再来。
 魔術師と魔術師、魔術師と殺人鬼の対決。「5/矛盾螺旋」は、アクション系ライトノベルとしてはかなりレベル。そして「6/忘却録音」は外界から閉ざされた女学院を舞台に、謎めいた教師や生徒たちの秘密を探るというもの。これがかなり面白い。『空の境界』という物語全体から見たら、この章は外伝的な位置付けだが、この章のそれはミステリの構造が取り入れられていて、かなり面白い。殺人鬼の再来によって明かされる真実も、それまでの殺人鬼という概念を覆すもの。ライトノベル好きは、読んでおいて損がない本だろう。