雲上ブログ〜謎ときどきボドゲ〜

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アプラクサスの夢

アプラクサスの夢 (電撃文庫)

アプラクサスの夢 (電撃文庫)

 天使の輪(ハイロウ)の向こう側に広がる無限に近しいスペースを持つい空間ポケット〈ゾーン〉。〈ゾーン〉内の怪物、グレムリンの駆除を専門的に行っているディビジョン駆除商会はあるとき、〈ゾーン〉の中で白い化け物と出会う。そいつはまるで幽霊(ファントム)のように微笑み消える、謎の存在。赤いパラソルの少女、トランクイロが放つ不死身のファントムの正体は、そしてアプラクサスとは――。
 ほぼ二年ぶりとなる高橋弥七郎のデビューシリーズの三作目。高橋弥七郎のもうひとつのシリーズ『灼眼のシャナ』では、あそこまで効果的に萌え要素を配置して、それらを巧みに動きまわさせてアクションを形成しているのに、こちらのシリーズでは萌えなんて微塵もなく、ただひたすらにアクションに徹している。本書からイラストレイターが凪良(nagi)に代わったのだが、魅力的な人型メカが数多く登場し、その筋の人にとっては興味深いだろう。小説としては、相変わらずその場のノリ重視で全体としては意味不明。細部の派手さで満足できる人向きと言える。