雲上ブログ〜謎ときどきボドゲ〜

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再没落する土曜日

 昨日はお休みしました。
 勢古浩爾『わたしを認めよ!』を読みました。読む前に「人間は家族からの承認・恋人からの承認・社会(上司や友人)からの承認がなければ崩壊してしまう。それらを得るにはどうしたらいいのか」という内容だと聞いていたのですが、実際はちょっと違いました。上の三種類の承認の形は古典的なもので、現在的には金による承認・セックスによる承認・自己による承認が主流で、そこからさらに派生した自分による反承認まであります。結構、突っ込んでいて、中々に考えられていると思います。実際にあった事件や事例を取り上げており、現実性もあります。けれど、これは、秋山の求めていたものではなかったです。理詰めで語られているので宗教色はないのですが、これは何て言うか、本物の宗教から神や奇跡といった宗教色を捨象しただけの、システムだけの、ミニチュア版宗教のようです。それに最終解答として提示された自己承認は、既に秋山が通過済みの、安易な手段としてカットしたものでした。勿論、安易な手段だからと言ってそれが悪いというわけではありません。自分に自信が持てなかったり将来に不安を覚えている人の大半には、特効薬的な効き目を発揮するでしょう。しかし秋山は、狂いを必要としている人間で、どちらかと言えば本質的根源的な否認を求めているわけです。まあ、秋山が何を求めているのか、何を求めたいのか、何を要しているのか、何を要したいのか、今までは漠然としか分かっていませんでしたが……いえ、本書を読んでもやっぱり漠然としか分かりません。安易な手段でいいじゃないか、どこに狂わなければならない理由があるのだとも思います。どうしたものか。