英会話の授業でもし父親から百万円貰ったら何をするというテーマで話し合うことになりました。その際、同じテーブルについていた人が「百万円では何も買えないし、海外にも行けない」と即答しました。「海外には十万もあれば行けるよ」「行けるけど、いいところに泊まれないじゃん」「じゃあ、国内で旅行したら?」「旅行とか面倒だから、全額、料理とエステとブランド物に使いそう」――と、この会話は英語ではなく、日本語で行われました。テーマが発表された直後、秋山は「自分は百万円なんて大金を持てる身分ではないから辞退するだろうな。と言うか、そもそも、父親が自分に何かをくれるなんてことは天地が引っくり返ってもありえない」なんて思っていたので、彼女の百万円なんて足りない発言には驚きました。価値観の違いはあってしかるべきものですが、ブランド物をブランド物だからという理由で信仰できる人が実在することは、ちょっとしたショックでした。
授業の後に「彼女たち、空虚な人生を送ってるよな」と友人が耳打ちしてきたのですが、どうでしょうか。客観的に見て、秋山の方がよっぽど空虚な人生を送っているように思えて仕方がありません。