雲上ブログ〜謎ときどきボドゲ〜

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ヘリオテロリズム特別号『20』

 冬コミで参加者用にと三冊、貰った『20』のレビューです。すいません、夜勤明けに打っているので文章がグダグダです。

松本楽志「蔦」とても素晴らしいです、傑作。人の多さに当てられて、疲れたなあと思いつつ読み始めてしまったのだが、僅かな体力では読みきることができなかった。油断のならない相手と言うか、何と言うか。読むという姿勢を本気で作らないと作者に負けてしまう。そしてこの結末。キセンさんの悔しがっている顔が目に浮かぶ、しかしこの幻想はがくしさんにしか作れない。降参。
近田鳶迩「耳」最近、えんじと打って、二回ぐらいの変換で出てきちゃったりして、このIMEは妙に進化したなあと思う。内容に関しては……うん、音読してしまった。面白かったです。雫嬢からラーメンズのDVDを六本だったか、借りたので、近いうちに見たいと思います。
根子「リピート」時間物だと思って読んだので、肩透かしに似たものを喰らってしまいました。しかし癖になるね。ここだけの話なんですけど……。
キセン「壁の向こう」お、こういう路線に向かうのか……、いや、しかしこれはこれでキセンさんのサイトで公開されている作品の延長線上にありそうな気がしないでもない。ううむ。
秋山真琴「メタ探偵の助手」シリーズ物の難点は、文脈から剥離された瞬間に面白味が激減することではないだろうか。
踝祐吾「20には帰れない」二度と名前を間違えないように登録しました。ついでにえんじさんとがくしさんも。鳶迩、楽志。うん、パーフェクト。閑話休題、20という題に合わせて作品内世界に20を小ネタとして持ってきそうだと思っていたら、予想に違わず20ネタ。ここらへん、テーマを与えられて掌編を書いてきた作家らしいと思う。グッド。
K「平成元年のバスケットボール」ううむ、これを分かるには三島由紀夫を読まなくてはならないのだろうか。どうでもいいが、三島由紀夫のあるシリーズ作品の概要を聞いて『天人五衰』の落ちは、ミステリ的だと思いました。
いづる「未来のあなたを許してあげて」題がいい、とてもいい。話もよく分からなかったのだけれど、妙にきれいで。ああ、いい話なのかなあと思いました。
丼原ザ★ボン「百億の秋に、千億の愛を」これは昨年の26日、第四回回廊オフで読ませてもらったのだけれど、西尾維新クビツリハイスクール』が読みたくて読みたくてたまらなくなった。今回も、皆、一様にコメントを避けてネタに走るだろうけれど、秋山はそんな風に逃げない。もっと真摯に、もっと真面目に作品を繰り返し繰り返し読んで噛み砕いて自分のものにして思考して思考して思考して而して、ザボンさんに自分の意見をぶつけてみようと思う。しかし、ここには秋山の思考を再現するだけの場所がない、残念だ。
曽良圭「輪唱ラブソング」この二ページはいいですねえ。和みます。
 全体的なところでは、とりあえずページが捲りづらいのと、文字が読みにくい。後、ヘリテロと比較するとがっつり読めないので、作品世界にようやく入り込めたところで終わってしまうのが残念。しかし、がくしさんの作品のように瞬間的に引き込ませる作品もあるので、作者の技量だろうねと。シリーズ物を持ってきたのは、秋山・ザボン・そらけいの三名だけれど、思っていたより少なめ。