雲上ブログ〜謎ときどきボドゲ〜

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新本格伝奇忌憚魔法少女あげは

 白翁さん(http://archer.zive.net:8080/)が文芸サークルの活動の一環として書いたもの。ご本人のサイトで公開されています。原稿用紙36枚と聞くと面倒になる長さですが、PDFで4ページとなると短く聞こえるから不思議です。読んでみました。
 素晴らしいです。いや、はっきり言ってしまうと、これはメタ過ぎて駄目なのですが、このメタ具合を出すにはそれ相応の読書数が求められ、白翁さんはこれをクリアしているんですよね。故に素晴らしいです。後、基本となるべき文章が確立されているので、自己言及とかやられてもあまり痛くないのが上手いなあ、と。作中に作者コメントが入ることについて『新・それでも作家になりたい人のためのブックガイド』に面白いことが書いてありました。秋山はこれを自覚的に作品に盛り込んでみようと、高一の頃に一日七枚を掲げて半年ほど書いたのですが。あのときはまだ読書数が少なかったので、あまり成果は得られませんでしたね。
 ただ、やはりこれはライトノベル的なと言うより、ジュヴナイル的な一連の背景を理解していないと、面白く読めないのではと思います。これに関しては、秋山のメタ探偵や、踝祐吾さんが書いているような作品も同様ですね。ライトノベル的な流れや、ミステリ的な流れを知識として持っていることを、読者に要求してしまっています。
 悪く言えば読者サービスにしかならないような作品で、作者のためにはならないのですが、自分を売り込むときに「作風に幅がありますよ」という意味では利点になるかもしれないです。まあ、この作品に関しては、それなりに面白かったので、他の作品にも目を通してみようかなと思いましたが、長いのばかりですねえ。HTMLだから横書きだし。まあ、自分でワードか何かに流し込めよって話ですが。