雲上ブログ〜謎ときどきボドゲ〜

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第八号

「暗闇の中で」「赤い海」「桜の季節に」「天才少年・ムゥとそのペット孤虎送るショートショートの合作版!」その3から5と言うことで、連作なのだろうか。その1とその2を読んでおく必要はあるのだろうか。ショートショート以前にこれは小説なのだろうか。ミステリなのだろうか。――残念ながら、全く理解できませんでした。あとがきを見る限り、締め切りの直前に書き散らしたもののようで、物語の体裁を取っていない、散文としか読めませんでした。
「その時に死んだ」「その世界の密室〜『φは壊れたね』に挑戦!」と比較すると、面白かったです。ただ、ときに淡々と、ときに詩的にと文体が一定していないので少し気になりました。読み終えてからタイトルを見て、あまり効果を発していないなと思いました。また、最終的に物語が着地するポイントが意表を突いていると言えば突いていましたけれど、物語全体から感じる流れというのには沿ってなくて、読後感はけしてよくなかったです。
「赤い人にはもう慣れた」「冷たい部屋に貴方と私」「密室シール」イムさんの作品は、二作読み、これ以上はもう結構なので飛ばさせていただきます。一応、冒頭とあとがきだけ読みましたが、どうしても甘さを感じてしまいます。
「らくがき」とても面白かったです。シンプル極まりない、ある種、反則技と言えないこともない一発ネタを使っているのですが、それだけに結末の斬れ味が素晴らしいです。しかし、よくよく考えてみると、これは最初の長たらしい説明と「では何故?」という疑問に答えられないところで損をしていますね。もう少し、文字数を使って、綿密に練り上げていたら、面白い短編になっていたと思います。