- 作者: 東川篤哉
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2005/05/30
- メディア: 単行本
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まずは筆致。斬っては返し、持っては回す、奇妙な衒いを含んだ文章が展開されているのだ。読み方によっては西尾維新的とも霧舎巧的とも言えるだろう。しかし、極端に韻を踏んでいるわけでも、命名に独自性を持ちすぎているわけでもないので、多少ユーモアがある、ぐらいだろう。次いで舞台。ミステリ的にはあまり機能していない館と島だが、結末において明かされる真相は、紛うことなく館と島を中心に置いたもの。結末まで読み、このタイトルの本当の意味を理解したとき、穏やかな感情に包まれるだろう。